スギ花粉症の治療方法

 

花粉症の時期いよいよスギ花粉症の季節に突入しました。目のかゆみやくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出ているかたもいらっしゃることでしょう。花粉症の治療は症状が軽いうちに、できれば症状発症前から抗ヒスタミン薬を服用することで、ピーク時の症状がかなり軽減できることが知られています。

皆さん、早めの受診と治療をおすすめいたします。

 

花粉症の治療:

① 抗原(花粉)の除去
花粉飛散時期に窓を大きく開けないほうがよいでしょう。
花粉に触れなければよいのですが、日常では避けることが難しいですね。
立体マスク・メガネ、花粉の付着しにくいコートなど、最近では花粉症グッズがいろいろ工夫されているので利用されてはいかがでしょうか。

 

② 花粉情報チェック
花粉症飛散状況や役に立つ情報をテレビやホームページで毎日チェックすることも有用です。
広島市江波山気象館の花粉情報 http://www.ebayama.jp/
花粉なう http://www.kafun-now.com/index.html
アレルギーi(アイ)  http://www.allergy-i.jp/

 

③ 薬物療法
花粉症のお薬は主に以下のように分類されます。
抗ヒスタミン薬: 内服 点鼻 点眼
ケミカルメディエーター遊離抑制薬: 内服、点鼻、点眼
ロイコトリエン拮抗薬:内服
TH2サイトカイン阻害薬:内服
副腎皮質ステロイドホルモン薬: (内服)点鼻 点眼
交感神経刺激薬: 点鼻
抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬は鼻みず、くしゃみ、目のかゆみなどに有効です。ロイコトリエン拮抗薬は特に鼻づまりに有効です。
副腎皮質ステロイドホルモン薬はすべての症状に有効ですが、点眼薬は「緑内障」という怖い合併症を引き起こす危険があり、眼科医のもとで処方いただくことが必要です。

 

④ 抗ヒスタミン薬について最近の考え方
花粉症のお薬は「眠い」とか、「眠い薬ほどよく効く」なんて聞いたことはないですか。
この症状は抗ヒスタミン薬の副作用ですが、脳のヒスタミン神経系は覚醒や認知機能を活性化させる機能があるので、脳内に移行する抗ヒスタミン薬は眠気を起こすのです。
最新の研究では、眠くない薬の効果は眠い薬と同等以上といわれており、眠くなくてもよく効きます。
むしろ、眠い薬は集中力が低下し、運転、仕事や学業にも集中できません。この状態はインペアード・パフォーマンスと呼ばれており作業効率を大きく下げ、事故もおこりやすく危険です。
アトピー性皮膚炎治療ガイドラインでは、抗ヒスタミン薬を鎮静性(眠い)と非鎮静性に分類しており、世界的にもこの分類が利用されています。当クリニックではインペアード・パフォーマンスを考慮して非鎮静性のお薬をおすすめしています。

 

抗ヒスタミン薬の分類:

非鎮静性(推奨) レボセチリジン、フェキソフェナジン、エピナスチン、エバスチン、オロパタジン、ベポタスチン、セチリジン10mgなど
軽度鎮静性 アゼラスチン、メキタジン、セチリジン20mg
鎮静性 d-クロルフェニラミン、オキサミド、ジフェンヒドラミン、ケトチフェン

※アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2009より引用・一部改変

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