2015.9.14(月) 福山労働会館「みやび」に於いて福山喘息セミナーが開かれました。

福山喘息セミナーに出席し、私は座長を務めました。最新の知見も学びましたのでご報告します。
以下の記事はあくまで私の聴講メモですので、記載に間違いがあっても責任は負えませんのでご了承ください。

講師はマツダ病院呼吸器内科主任部長大成洋二郎先生
演題名:気管支喘息の治療戦略

・気管支喘息 は好酸球性炎症であり、気道が狭くなり息が吐きにくい。
放置していたり、治療が不足していると・・・・
平滑筋の肥大 、リモデリング →重症化する。

喘息死について
他の先進国に比べ、日本は喘息死が多い

広島県の死亡率は全国平均くらい。 重症度による死亡割合は、軽症7.4%  中等度 33.0%  重症 39.2%であった。軽症でも死亡することがあるということを忘れてはならず、治療継続する意義がここにある。

死亡誘因 の第1位 気道感染である。
喘息死の90%が65歳以上の高齢者 →アドヒアランス、吸入手技の確認が必要!

気管支喘息の診断基準は今だないが・・・変動性を持った気道狭窄が特徴で
症状が最も重要である。
呼吸困難、喘鳴、息苦しさ、咳(早朝、夜間に多い)

診断には以下の検査を用いるが、気管支喘息患者陽性率がそれぞれ違う。
気管支拡張薬による一秒量の改善が200MLかつ12%を満たすもの 喘息患者の 41%
喀痰好酸球>3%  喘息患者の85%
気道過敏性陽性  喘息患者の88%
呼気NO>20ppb  喘息患者の88% ・・・ただし、いわゆる咳喘息ではもっと低い陽性率。

○呼気NO測定

37ppb以上はほぼ喘息で間違いなし
好酸球性炎症で上がるので、COPD、健常者は上がらない
喫煙者は少し低く出る
鼻炎を合併していると高く出る
症状や肺機能検査と比較的相関する
咳喘息より気管支喘息の方が高く出る

○呼吸抵抗測定(モストグラフ)

※理論は非常に難しいので解釈が難しいが、おおよその理解として以下のとおりである。
R5=5Hz 末梢までいく(全気道抵抗)
R20=20Hz 中枢までいく(中枢気道抵抗)
X5=5Hzの時の主に弾性抵抗
喘息患者は呼吸抵抗が高いが、周波数・呼吸周期は関係しない

臨床診断に関して興味深い論文が紹介された。
喘息の特徴と考えられる症状を点数化し、ポイント数で喘息診断するものである。

症状の日動変動 1Point
繰り返す症状 2P
アレルギー疾患の既往 1P
喘鳴聴取 2P
とすると以下のとおりとなる。

20150914kiji

吸入薬 について

粒子径を考慮することが重要 もっとも治療効果の高い粒子経は2−3μgである

利点
エアー(フルティフォームなど) 吸入力が少ない人(高齢者など)に使用出来る
粉(アドエア、レルベア、シムビコートなど) 吸気に同調しなくてよい
刺激が少ない
必ずしも吸入後息を止めなくても良い

シムビコートSMART療法について

1日8吸入まで増量可(医師の指示であれば1日12吸入もOK)

スピリーバレスピマット・・・中枢・末梢に効く。その理由は

スピリーバレスピマットの粒子経は2峰性で、1μgと4μgだからである。
ただし喘息患者への適応はICS/LABAでコントロール不良の患者に限る。
上乗せするのが要件である。※第一選択ではない。

◯吸入指導が大事!

初めの1-2カ月はみんな吸入するが、1年後は10%しか継続していない
指導の時期
吸入の効き目に疑問を抱いたとき
吸入に変更があったとき
吸入方法
アドエアは水平に持ちレバーを引く。そのまま水平の状態で吸入。
シムビコートはまっすぐ立てて回し、吸入。

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