第2回明日から使える!喘息診療実践セミナー in 福山、が開催され、私は座長をいたしました。

2019年6月6日に

ホーリーザイオンズパーク セント ヴァレンタインにおいて

第2回明日から使える!喘息診療実践セミナー in 福山、が開催され、私は座長をいたしました。

以下の記載は私の聴講メモですので、記載に間違いがあっても責任は負えませんのでご了承ください。

目次

こちらの記事は以下の内容が書かれています。

特別講演1 当院における喘息診療について
福山市民病院内科 小田尚廣先生

特別講演2 喘息の診療とより良い治療のコツ
産業医科大学医学部 呼吸器内科学 教授 矢寺 和博先生

特別講演1 当院における喘息診療について 

福山市民病院内科
小田 尚廣先生

入院となった重症喘息患者について

救命センター入室した喘息発作患者は11名
6例55%が75歳以上の高齢者であった。4名現喫煙患者。
ICSは4名が投与されていなかった。
高齢者は治療が不十分となりやすい。
80歳以上の超高齢者の吸引手技は不適切であったので吸入再指導した。
Step4の治療を行っても小発作を繰り返しおこし、末梢血好酸球やIgE 高値の場合は分子標的治療も検討。
低肺機能患者は発作を繰り返しやすい。

高齢者喘息

喘息死の90%をしめる
吸気流量が低下した症例がある→スペーサーを使ったpMDIが適する、ネブライザーを使用するなど。
吸入手技を頻回にチェックすることが重要
循環器系副作用が問題となる症例ではLAMAを選択する
高用量ICSを投与してもコントロール不良例では生物学的製剤を考慮する。

慢性咳嗽の診療

アトピー咳嗽は日本に特有の概念である。原因の8−29%である。
喘息 咳喘息 アトピー咳嗽 が原因として多い。
※この3疾患の鑑別方法について詳しく説明された。
咳喘息では経過中に30−40%が喘息に移行する。ICSは吸入により移行率は低下する。
喘息治療においてFENO 症状 気道閉塞 に比較して気道過敏性はもっとも最後までのこる。

気道過敏性検査をおこなうメリット

気道可逆性試験・FeNO陰性例,診断的治療反応不良例 において咳喘息診断に寄与する可能性がある。
治療不応例に対するステップアップや,治療反応例に対する維持療法について患者側も納得しやすく, アドヒアランス向上が期待できる。
不要な長期吸入ステロイド薬処方や喘息のレッテル貼りを回避出来る可能性がある。

特別講演2 喘息の診療とより良い治療のコツ

産業医科大学医学部 呼吸器内科学 教授
矢寺 和博先生

COPDの診断

気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーで一秒率が70%未満であれば診断する。
鑑別疾患の最重要は喘息であるが、当然オーバーラップもある。
これをACOというが、喘息はもともと診断基準のないものであるが、ACOのガイドラインには診断基準らしきものがあり、参考となる。
COPDのFENOは非常に低い傾向にある。ACOの診断基準では>35ppbとあるがもう少し低くてもよいのではないかと演者は考えている。
COPDにICSを投与すると肺炎リスクが上昇することが知られている。
COPDにICSを使用してよいのは、ACOのみ、と日本のガイドラインでは記載がある。
トリプルテラピーをどのように行うのか、検討課題である。

昨年喘息ガイドライン2018が出版された。

成人喘息の定義

気道の慢性炎症・・・・・云々
喘息の発症年齢は2峰性で、10代以下と40代に多い。
成人喘息は50%以上が成人で発症している。
喘息発作の起こりやすい時間帯は深夜1時から増加し午前5時頃がピークになる。

喘息診断のポイント

呼気喘鳴の聴取・・・吐けなくなるまで息を吐ききる。end-expiratory wheeze。
季節や時間帯による変動、夜間の咳、呼吸苦による覚醒
気管支拡張剤が有効
HRCTで気管支壁肥厚
喀痰中好酸球

Near fatal asthmaの喘息発作時は気管支壁が肥厚し気管支内に分泌物で閉塞する。

喘息の重症度にかかわらず喘息死は起こりうる。
ICS/LABAの処方量が増えるほど喘息死は低下しているが、2017年に増加に転じた。ICD-10による原死因選択ルールの厳格化が影響した可能性がある。
喘息治療は炎症を抑えることから、さらに最近はリモデリングを予防することにシフトしている。

喘息患者は67%が鼻炎を合併している。

アレ鼻合併喘息は増悪を起こしやすい。
鼻炎があると喘息がなくても気管支に好酸球性浸潤と基底膜肥厚が認められる。
アレルギー性結膜炎や鼻炎が成人で新たに発症した患者では、その後気管支喘息を発症する可能性が高い。
好酸球性副鼻腔炎は篩骨洞優位で嗅覚障害が多い。喘息、アスピリン喘息、薬剤アレルギーの合併がおおい。
マクロライドは無効。
好酸球性副鼻腔炎の診断にはJESRECスコアを用いる。篩骨洞優位の病変と末梢血好酸球数で規定されている。
重症喘息患者の84%が副鼻腔CTで異常を指摘されたとの報告がある。
演者らは副鼻腔炎合併喘息患者へ点鼻ステロイドを追加投与して検討したところ(N=24)
ACTスコアが上昇し、一秒量、ピークフロー、一秒率が3ヶ月で増加した。
アレルギー性鼻炎治療をおこなう喘息症状が改善した報告がある(JACCI2014)。
喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎が合併症例では、3疾患とも同時に治療することで回復が早い。

日本の喘息コントロール目標は世界一厳しい

無症状をめざす。GINAでは週1回未満の症状は許容されている。

ICSとLABA配合剤はなぜよいのか

ICSとベータ刺激薬との相乗作用がある。
ステロイドはβ2受容体数を増加し、β2 受容体刺激薬の長期暴露による薬剤耐性を抑制する。一 方LABAは、ステロイド受容体やCCAAT/enhancer binding protein αを活性化することで、ステロイド受容体の核内移行を促進し、遺伝子転写を促進することによりステロイドの抗炎症作用を増強する。
高用量アドエア→シムビコートでは症状は改善し1年後まで増悪はないが、シムビコート→アドエアでは増悪がおこりうる。
なぜか? サルメテロールは気管支拡張する一方で、炎症がつよい状態ではinhibitory G proteinを活性化するので治療効果がでにくくなるのであろう。

SABAのみの連用をなくすことが重要である。

SABA(アルブテロール)ではゆらぎがあり、非常に一秒量が低下することがある。サルメテロールは安定していた。しかし、SABA、LABAの単剤の継続使用は一部でベースラインより増悪することかある。

シムビコートSMART療法 と 用量調節療法(AMD)をうまくつかう。

GINAでは、STEP1の治療では、シムビコートを必要時に吸入することを推奨している 。

喘息治療はアドヒアランスが重要

難治性喘息診断と治療の手引き2019では、まず吸入手技の確認からはいることを推奨している。
あるアンケートでは、有症状時の1st choiceの薬剤はシムビコートを選ぶ、理由は効果が高い、用量調節ができることであった。
吸入指導を繰り返し行うことは重要である。

ステロイド服用でも好酸球が低下しない患者では、ILC2を介した好酸球性炎症の経路がある。

Q and A

Q1.  重症喘息患者には好酸球性副鼻腔炎が多数合併している提示があったが、後鼻漏が重症喘息の症状を悪化させたのではないか。
A 好酸球性副鼻腔炎はむしろ後鼻漏は少なく、鼻腔内はむしろ乾いている印象である。咳の症状は鼻と気管支の複雑な因子が絡み合っている。軽症喘息の副鼻腔CTはきれいなことがおおい。

Q2. 鼻炎合併喘息患者にICS/LABAを経鼻呼出するとよいと言われるが、効果はどうか。
A 効果はあると思われる。

Q3. 肥満女性、副鼻腔炎合併症例の治療に難渋している。鼻炎のなかの好酸球と気管支の好酸球はいっしょなのでしょうか?
A 非常にHOTな話題である。鼻に対する分子標的治療薬の治療効果がかなり違うことがわかってきた。好酸球活性化されるのは鼻も下気道も同じだが、周囲環境がかなり違う。たとえば鼻腔はブドウ球菌感染が複雑に関与するが、下気道は無菌に近い。ベンラリズマブ投与すると鼻の好酸球数は減るがポリープは増大することがある。下気道と上気道の薬剤反応性は異なる 。

Q4. デュピルマブは好酸球性副鼻腔炎に有効であるのか
A 有効性がある。IL-13が重要だと推察されている。

小田先生、矢寺先生と懇親会にて

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