One airway, one disease conferance in 備後地区 @まなびの館ローズコム

2024年5月23日にまなびの館ローズコムにおいて、
One airway, one disease conferance in 備後地区 @まなびの館ローズコムがZOOM配信にて開催され、座長をいたしました。

(注意)あくまで私の聴講メモですので記載内容が正確でない可能性があります。責任は負えませんのでご了承ください。

目次

こちらの記事は以下の内容が書かれています。

〜好酸球性副鼻腔炎治療における経口ステロイド薬とバイオ製剤の位置付け〜

福山市民病院耳鼻咽喉・頭頸部外科科長
野田 洋平先生

・慢性副鼻腔炎CRSの病因は単一ではなく複雑な因子が絡み合っている。
欧米では鼻茸の有無で分類している。
日本では、炎症によって分類している(Type1、2,3)。
好酸球性副鼻腔炎eCRSはType2炎症性疾患である。
・CRSに対する治療の変遷
 1990年代から副鼻腔の換気とドレナージの回復を目的とする内視鏡的副鼻腔手術ESSが普及したが、ESS後に再燃し難治性なCRSが認められ、これがeCRSである。
・eCRSの診断基準は
JESREC スコア11点以上
かつ末梢血好酸球数>5% あるいはCTにて篩骨洞有意の鼻茸を認める →重症と判定
重症度分類によって鼻茸無再発率が予測できる。
重症例は2年で半数が再発。中等症例でも3割再発。

治療

・LTRA+鼻噴霧ステロイド薬の併用が第一選択である。
・リモデリングが進んだ状態では内視鏡下副鼻腔手術ESSは推奨される。通気をしておくことは将来の併発症(真菌症など)の抑制にも有用である。
・ステロイド全身投与について
ステロイド全身投与はよく効く。
鼻茸スコアへの改善効果は投与3ヶ月は有意に改善するが、全症状スコアは10週移行は改善は認めない。
通常のCRSの治療はeCRSにも有用である。
一方で全身性ステロイド投与は合併症が問題となる。
ステロイド糖尿病、骨粗鬆症はとくに重要な合併症。 骨密度が保たれていても骨強度が著明に低下する。
217993人の喘息患者を対象として研究では、PSL換算5mg/日を定期服用していると、骨粗しょう症は6倍、骨折は2倍のリスクである。
年4回のステロイドバーストでも糖尿病や骨粗鬆症の増加が認められる。
PSL換算の累積投与量が0.5から1gで合併症は発症しやすい。
・分子標的治療の適応
eCRSの急性増悪を繰り返し、ステロイドバーストが頻回ならば分子標的治療が適応である。
SINUS-52試験の結果では、鼻茸スコアや鼻閉重症度スコアはデュピクセントで有意に改善(低下)している。
有害事象の多くは注射部位の局所反応であり、安全性は高い。

演者らは28例にデュピクセント投与中であるが、内訳は、
男18例、女性10、アスピリン喘息9例、好酸球性中耳炎3例、24例に喘息合併。
デュピクセント使用例の5例はステロイド全身投与歴なし、その他は投与歴あり。
効果判定は鼻茸の鼻内所見と匂いスコアであるが、
28例中25例で鼻茸縮小or消失。3例は半年後に無効判定で中止した。
嗅覚障害ない例は2例。
SNOT22(Sino-Nasal Outcome Test)で評価したら、
鼻茸縮小したのに症状改善しない症例は3例である。 
23例中21例でステロイド中止できている。
喘息症状はすこぶるよいとのことであった。

Q and A

Q 鼻茸縮小したが症状改善しない症例はどのような病態ですか。
A リモデリングしている、換言すると嗅神経の不可逆的な障害と考えられます。
Q 副鼻腔CT画像で上顎洞陰影はきれいに消失し篩骨洞付近の陰影は残存しているが、上顎洞は液体成分が主体であるということですか?
A 篩骨洞と上顎洞はともに鼻茸と同様の病理と考えて良いです。

池田元洋先生 中国中央病院呼吸器内科医長

〜重症喘息の長期管理におけるパラダイムシフト〜

中国中央病院呼吸器内科医長
池田 元洋先生

以下のような内容を講演された。
 重症喘息は確かにいる
 全身性ステロイドは時代遅れである
 疾患修飾治療が主流
 将来の喘息治療

喘息死は2023年は1010人程度の年間死亡数である(過去最低値)。
日本の推定喘息患者1000万人、5%程度が重症喘息であり、増悪リスク5倍、救急入院は6倍である。
STEP4治療が必要な患者は重症喘息の判定となり
STEP4治療でコントロール不良な場合は専門医に紹介がのぞましい。
プライマリ・ケアで診療中の重症喘息は2割くらいしか専門医を受診していない。
重症喘息の半分は年間に1回以上増悪している。
全身性ステロイド投与は副作用の面で推奨されない。
KEIFU2研究の報告では、コントロール不良患者は1年後も全身性ステロイド治療は減量できていないかった。
重症喘息の特徴として41%が副鼻腔炎を合併、8割以上Type2炎症性である。
血中好酸球数とFENOが高いと増悪リスクが高く予後が不良である。
罹病期間が短い(5年以内)、肺機能が比較的良い症例ほど、臨床的寛解を得やすい。
STEP4治療でコントロー不良例は分子標的治療薬の適応であるが、その中で
末梢血好酸球の高値かどうかにかかわらずデュピクセントは適応となりうる。
早期治療すれば予後は良好であるという報告もある。

Q and A

Q 講演中にSTEP4治療中の患者は定期的に専門医に評価目的で紹介を、とおっしゃっていましたが、膨大な任ずんとなると思うのでもう少し条件を絞ってもよろしいのでは?
A STEP4の治療で、コントロール不良の場合はご紹介ください。

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