重症喘息Meeting in Hiroshima 於ANAクラウンホテル広島

あくまで私の聴講メモですので記載内容が正確でない可能性があります。責任は負えませんのでご了承ください。

今回は難治性喘息(治療に難渋する重症の気管支喘息)について最近の知見を学んで参りました。

◉ 難治性気管支喘息児におけるオマリズマブの使用経験

大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター小児科副部長吉田之範先生

オマリズマブは遊離IgEに結合しMAST細胞との結合を抑制する。

体重20kg以上が適応 よって学童以上が適応となる。
小児喘息の重症度は、2005年で52%がmild intermittent , 6%がsevere persistent (足立らの報告)
近畿地方における小児ぜんそく増悪にともなう入院の実態は53%が2-5歳、23%が6-10歳であり、過去1年間の入院回数は17.4%が1回程度、3回は2.8%である。0回は70%以上。
小児気管支喘息も吸入ステロイドの普及が進むにつれて入院や重症度も改善している。severe persistent の患者で年に3回以上入院するような学童にどのようにオマリズマブを使うか、ということであろう。

GINA2014では、ステップ5においてアドオンする薬剤としてオマリズマブが追加が考慮されている。

小児での主な報告としては、日本では臨床試験以外にはあまりないが、海外では
BusseらNEJM364 1005 2011 が唯一であろうか。
これによると、オマリズマブ投与により喘息増悪の季節性変動が抑制されたが、成人同様に肺機能の改善にはなっていない。
Curr Opin Allergy Clin immunol 2014に 小児オマリズマブ投与のreviewがなされている。

症例15歳男児

改良型rapid ACTH試験でコルチゾール値を測定したら、PSL投与前は35μg/dl 程度あったが、投与すると5まで低下していた。
オマリズマブの適応について: 上記の症例を踏まえて
経口ステロイド薬がコントロールする前に、オマリズマブ投与よいのではないか。

9歳の症例:

4歳からフルチカゾン最大500μgを投与してもコントロールできす、PSL15mg内服しないと症状コントロールできない →オマリズマブ300mg/dose 4wを開始し、5ヶ月後からPSL10mg、その後2ヶ月毎に7.5→5→2.5→と減量できている。
GINA2014で示されたICS高用量を投与して喘息コントロールがよければそれでよいか?
Toddらの2002年の報告では500-2000μg/日を投与した症例では低血糖症状が発現する症例がある。
日常診療では高用量の吸入ステロイドを使用せざるを得ないことがあるが、副腎機能をモニターしないと、副腎抑制から低血糖症状を起こす症例があり注意を要する。しかも一旦副腎抑制を起こすと、その後は非常に副腎の機能が不安定となり低用量にしても抑制がかかることもある。

オマリズマブの適応症例の選択について

経口ステロイド薬使用例
高用量吸入ステロイド薬使用例
その他、吸入ステロイド薬を効率よく吸入できないような児で、重症持続型喘息の場合についても今後検討課題と考える。

「質疑応答では」

今回の症例は純粋に幼児期からどーんと重症になり、かつコントロールできない症例。アドヒアランスも良好で家族の協力もある症例。背は低く、胸郭変形もきたしている。

◉成人重症喘息の治療戦略

静岡県立総合病院 呼吸器内科部長 白井敏博先生

20年前は7000人の喘息死亡、10年前3000人、2012年に1874人初めて2000人を割ったが、9割が高齢者である。2013年は1726人。
喘息死の実態 喘息予防管理ガイドライン2012によると
急死が多い 発作開始後1時間以内が13.6%
GINAではステップ5にanti-IgEの上乗せが推奨されている。
重症喘息の定義はGINAのステップ4または5
ACQ>=1.5、かつACT<20点
治療が効果不十分な症例はかならず服薬指導再指導をすべきである。

オマリズマブ使用症例提示

26歳 女性 教員

PSL10mがはいっていても年に2回程度入院治療。
オマリズマブ導入1年9ヶ月後に入院は0回、外来点滴も9回(以前は数倍の回数)と著効例。
モストグラフについても説明があった。

※リアクタンス:肺の硬さを表す 呼吸リアクタンスは空気の入りにくさを反映する(肺がかたいなど)
レジスタンスRは 正常だと周波数に無関係に一定だが、喘息では周波数が低いほどRがあがる。小児も同様の傾向をしめす(Rがあがる)。
リアクタンスXrs 周波数が高くなるにつれて値が切れ込むように低くなっていく。
R5-R20は末梢気道抵抗と断定するのは言い過ぎであろう。

Shirai T. Clin Exp Allergy 2013 R5-R20 についての考察をされていた(詳細は省略)

Hanania N.A.らAm J Respir Crit Care Med 2013 ;187:804-11

血清ペリオスチンを測定し値が高いとゾレアが効果あり
Normansell. The Cochrane Library2014 の報告では
中等症及び重症喘息患者6382例を対象としてメタ解析
オマリズマブは増悪を有意に減少させた。
入院も有意に減少した。
吸入ステロイドの減量中止が可能であったが、経口ステロイド使用量については有意差なかった。
SABAの使用回数は有意に減少させたが、肺機能については評価不能だった。

「質疑応答では」

ゾレアを使用したのは10例だが、著効といえるのは1例のみだった。

小児のモストグラフは、まるでCOPD典型例のような所見が多々認められ、解釈にこまる。

小児期にゾレアをつかうとよく効く、小児期の食物アレルギーには食べられるようになった、という報告があり、しっかり小児期に治療するのが重要な気がする。

抗IgE抗体投与対象患者とは

小児:高用量吸入ステロイドを投与していても、症状コントロールが出来ない患者

outgrowにならないように、リモデリングが起きる前に使う、だから重症なら発症から早期でも使うべきであろうと考える(吉田先生)
しかし、経済的側面を考慮するとどうしても難治性と判断する症例になるであろう。
成人:配合剤 + テオフィリン + スピリーバまでを使ってもコントロール不良の場合。

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