2016年6月25日広島国際会議場にて開催された、第9回広島呼吸ケア研究会に出席し座長をいたしました。

2016年6月25日広島国際会議場にて開催された、第9回広島呼吸ケア研究会に出席し座長をいたしました。

以下の記載は私の聴講メモですので、記載に間違いがあっても責任は負えませんのでご了承ください。

講演は、教育セミナー9 これだけは知っておきたい”本当の緩和ケア” 講師大橋信之先生(大橋内科医院院長)です。

・がん治療に治癒の見込みがなくなったら、そこから緩和ケア、という考え方がいままでのイメージであった。しかし患者の視点では終末期まで医療はつづいており、縦割りの考え方は患者には受け入れがたい。
・いわゆる治療の医学的な「適応」だけでなく、患者の種々の背景や希望などを鑑みた治療方針の決定が重要である。
・呼吸困難の治療においてマニュアル/ガイドラインに縛られていないか。各症例ごとにどのような病態なのかを適確に見極めて治療薬を使う。
・narrativeに診療する。つまり患者に「受容を促さない」ことである。例えば、治らないことを伝え受容を促す、患者の話を傾聴しない、などはよくない行為である。個々の患者をとらえて患者の苦悩を認識する力を高める臨床が大事である。
・PPI(Palliative Prognostic Index)は予後予測に有効なツールである。

・在宅緩和ケアの持つ力:
  病院で死を迎えるよりも身体的苦痛と精神的苦痛が少なくQOLが高い。
  痛みの閾値が上がる。→オピオイドの使用量が減る。
  自分らしさを貫くことができ、スピリチュアルペインを癒やす力がある。
  自宅の方が家族が心の傷を受けにくい。
  →遺族は死を受けとめ、命を引き継いで自分の人生を歩むことが容易となる。

・治療のメリット・デメリットは患者の視点で考える。エビデンスではない。
 患者の意思を踏まえた「人生のプロセス」を大切にしていくことが大事である。

・本人の望む療養環境に沿った過ごし方をサポートするのが在宅緩和ケアである。
 家族の不安にも向き合う。
 本人の生き方、病院への立ち向かい方、本人の選択を肯定し支えるのである。

※添付写真は、懇親会の一枚です。
広島大学大学院准教授服部昇先生、広島大学大学院教授 濱田泰伸先生、吉島病院名誉院長 倉岡敏彦先生、大橋内科医院大橋信之先生、と一緒に。

IMG_0915

コメントは停止中です。