2018年4月27日から29日まで、第58回日本呼吸器学会学術講演会に出席し、最新の知見を学んでまいりました。

2018年4月27日から29日まで、第58回日本呼吸器学会学術講演会に出席し、最新の知見を学んでまいりました。
以下の記載は私の聴講メモですので、記載に間違いがあっても責任は負えませんのでご了承ください。

目次

こちらの記事は以下の内容が書かれています。

S-4 呼吸器疾患とマイクロバイオーム

三重大学附属病院呼吸器内科
小林 哲先生

用語について

マイクローム 微生物全体
マイクロバイオータ 微生物の総称 フローラのこと
マイクロバイオーム 微生物を集合体と考えてそのゲノム情報全体
プロバイオティクス 細菌叢のバランスを改善することにより宿主に好影響を与える生菌添加物
プレバイオティクス 大腸内に定着している特定の細菌群の増殖や活性化を促すことによって、宿主に有利な影響を与え、その健康を改善する効果をもつ難消化性物質

 

なぜいまマイクロバイオームなのか

ヒトにヒト細胞の10倍の細菌数がいる。1.5kg相当の重さである。 →細菌は何かしているはずだ。
いままでは感染症に注目して菌種が検討されてきたが、培養法により検出できるのは2-3割である。
残りの部分は培養できないが、マイクロバイオームにより残りが解析可能となった。
そこに存在する細菌叢のバランスによって種々の疾患が発症することがわかった。
常在細菌叢の重要性、病態解明、治療開発への応用の可能性に注目されている。
善玉菌、悪玉菌という考え方は昔からあるが、腸内細菌の産生する腐敗物質が老化を促進すると考えられ、ヨーグルトで善玉菌を促進するなどが考えられた。

コンドルは死肉を食べても死なない。デンマーク、アメリカなどで50羽捕まえて調べた。

死肉に頭を突っ込んで食べるのでコンドルの頭部には500種類以上の細菌がいるが、腸内細菌は76腫しかなく、クロストリジウムなど致死性の細菌と共存していると考えられる。
・クロストリジウム菌は餌である食物繊維を宿主がたくさん摂取すると酪酸を放出し、腸内でたくさんのTregを増やす。すなわち免疫の暴走をTregが防ぐ。
・10年前からマイクロバイオームの解析は急速に進んでいる。
16srRNA配列をマイクロバイオームでは測定する。
双子でも親子でもマイクロバイオームはあまり似ていない。
・部位別のマイクロバイオーム
肺のマイクロバイオータはどこから来たのか。
・Nature review Immunology 2016 microbiomeの特集がある。
・16srRNA配列が97%以上類似していれば、かなり似ている
 99%以上でほぼ同種であろう、とされる。
データ解析には複数解析統合ツールのQIIMEパイプラインを使用する。
・BALのマイクロバイオーム
BALのコンタミを考慮した検討では、口腔内・鼻・BALの主成分分析で口腔とBALはマイクロバイオームが似ていた。 中咽頭の分泌物を誤嚥すると考えられる。
・健康肺では細菌叢の多様性とバランスがよい。
喘息ではプロテオバクテリアと
・IPFの検討 では数種類のマイクロバイオームの研究論文がある。
Molyneoaxらの検討では、BALのバクテリアの多い症例は予後不良であった。
病気の原因が菌なのか、病気だから菌が多いのかは不明である。
・肺には
ChristensenellaやClostridium、Halomonas が検出された。肺線維症の肺組織をハロモナスで染色すると染まってくる。
以下、少々内容についていけず….


◆ランチョンセミナー4

LS-1AMR対策のための経口抗菌薬の特性を理解する

東北医科薬科大学大学院薬学研究科 臨床感染症学教室
藤村 茂先生

薬剤耐性にはAMR対策アクションプラン 成果指標

マクロライドと経口セファロスポリンを 半分にするという取り組みが厚労省より出されている。
・JANISサーベイランスではペニシリン耐性肺炎球菌の耐性化率は
2015年40%以上の非感受性率であったが、2016年は2.4%である。
19F、23F、6A、6Bの莢膜型がほとんどを占める。
肺炎球菌ワクチンの接種でペニシリン耐性が生じていた19F、23F、3型がセロコンバージョンして
耐性化率が減ったのであろうと考えられている。

S.pneumoniaeのペニシリン耐性メカニズム

耐性は、PBP(ペニシリン結合蛋白)の変異により生じる。PBP1A、2A、2B、2Xの部分。
肺炎球菌のいる鼻咽腔や口腔内には、雑菌S.mitis、S.oralisが共生しており、これらが耐性遺伝子をもっており、
肺炎球菌とモザイク変異をする。
抗菌薬を不適切に使用すると、雑菌が死んで耐性遺伝子が肺炎球菌に移るのである。

Neisseria flavescens は舌苔に多数生じている。

鼻腔内・口腔内の常在菌バイオフィルム内に雑多な菌が混在しているが、ここでtrans formationが生じる。
 バイオフィルム内のextracellular DNAをフィルム内に混在する肺炎球菌が拾ってしまうのである。

肺炎球菌耐性菌をつくらないためには

1.高齢者の口腔内衛生管理
2.入寮時、高齢者に不必要な抗菌薬を投与しない
3.肺炎球菌をしっかり叩くことが必要
例:急性鼻副鼻腔炎の場合、成人ではアモキシシリンを使用することしているが、本当にいいのか?
 起炎菌は肺炎球菌、モラクセラ、インフルエンザ菌が主要なものである。
東北地方で分離された肺炎球菌に対してAMPCアモキシシリンはすべて感受性を示した!
第2位のインフルエンザ菌ではAMPCは5割が耐性であった(BLNAR)。
第3位のモラキセラ・カタラーリス AMPCは全く無効!
 → 鼻副鼻腔炎にAMPCのみでは全く対処できないはずである。
 → キノロンが重要である。
・経口キノロンのシェアは第1位レボフロキサシン、2位ガレノキサシン、第3位シタフロキサシン
mutant prevention concentration(MPC)は抗菌薬の有効性が発揮される閾値の濃度であるが、
レボフロキサシンは内服であろうと、注射剤であろうと血中濃度はさほど変わりなく、
レボフロキサシンのMPC は3.125と高い!つまり、結構簡単に耐性菌をつくりやすい。
 →レボフロキサシン耐性が進み、キノロン耐性大腸菌の二の舞いになる恐れがある。
ガレノキサシンの欠点は蛋白結合率が79.5%と高く、のこりの20.5%が菌に効いている。
シタフロキサシンも蛋白結合率が50%くらいあるので、やはり耐性菌はできやすい。
臨床効果と照らして考慮した場合に、
ガレノキサシンは血中濃度がしっかり上昇するので、キノロンの中では耐性菌は生じにくいと考えられる。
 →ガレノキサシンは呼吸器系3大起炎菌を叩ける薬剤である。

まとめ

ペニシリン耐性出現を抑制するにはMICおよびMPCが低値を示すレスピラトリーキノロン薬を選択すべきである。
レボフロキサシンはかなり耐性になりやすい薬剤になっていることを留意すべきである。
MPCが高値の抗生物質は再考すべきである。
秒質疑応答
呼吸器系でのキノロン耐性が少なかった理由は、呼吸器学会が出したガイドラインでニューキノロンをセカンドチョイスにしたので良かったのであろう。しかし最近は泌尿器科からレボフロキサシンをどんどん投与される傾向にある。
昨年の肺炎治療ガイドラインでは、キノロンをファーストチョイスに入ってきた(一般臨床に沿った形で)


LS-2 高齢社会における呼吸器感染症の診断と治療

産業医科大学 呼吸器内科学
矢寺和博先生

入院肺炎のうちCAPで6割、HAPで86%が誤嚥性肺炎である。

・誤嚥性肺炎と非誤嚥性肺炎の臨床像の後方視的検討では、
 黄色ブドウ球菌、クレブシエラは誤嚥性肺炎で多い。
 一方MRSAや緑膿菌は両者に差はない。つまり、誤嚥性肺炎だからといって薬剤耐性菌が多いというわけではない。

誤嚥性は再発率/死亡率ともに高い。

・再発性肺炎のリスクは、
 誤嚥性肺炎 高齢者 ECOG-PSが低い
・肺炎の死亡リスクに、実は誤嚥性肺炎は入ってこない。
 ちょこちょと誤嚥性肺炎を起こすがすぐに亡くなるわけではない。

肺炎重症度であるCURB-65スコアが高いと、死亡率は高い。

・誤嚥性肺炎の起炎菌として、
 1975年当時は嫌気性菌が90%、いまは10%程度しかない。
 1990年代以降はさほど嫌気性菌率は高くない。すなわち
 一昔前の誤嚥性肺炎≒嫌気性菌 という公式は当てはまらない。
・網羅的細菌叢解析法(clone library法)

演者らは全例気管支鏡検査にて得た検体と喀痰を元に検討した。

 sample(BALF) →DNAを抽出・検出 →library化する。
(症例 )胸水、心嚢液貯留症例 
 → レプトトリキア(嫌気性菌の一種)が肺炎の原因菌として陽性となった。
・市中肺炎において、BALF培養で得られた起炎菌としては、
 マイコプラズマ、肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラキセラ、嫌気性菌
・肺炎球菌とS.ミティスの遺伝子の違いは、わずか3箇所しかなく、この違いをしっかり区別しないといけない。
・誤嚥性肺炎が多いと考えられる医療ケア関連肺炎では嫌気性菌は少なく、嫌気性菌は市中肺炎で多い。
・CAPとNHLーCAPでは、
 若年者でマイコプラズマと嫌気性菌の検出頻度が多かった。
 高齢者では、口腔レンサ球菌の検出が多かった。
 高齢者の胸水・膿胸でストレプトコッカス・アンギノーサス(昔はmilleri)
・レボフロキサシンが100mg 3錠分3はなぜ保険適応となっているのか、問題である。
・ガレノキサシンのPSSPの感受性率は90%以上である。

2012年以後の耐性化率は特に上昇していない。

・特に高齢者の場合の肺炎は、結核だったらどうしようといつも考える必要がある。
 起炎菌推定・同定する上で常に結核は鑑別すべきである。
・結核診断前のキノロン使用と死亡率
 結核に診断前につかうと19%死亡、つかっていないと9%死亡である。
・肺炎球菌ワクチンはプレベナーとニューモバックスの両者を接種すべきである(強く推奨)
・CQ 肺炎予防において口腔ケアは推奨されるか。
65歳以上は特に指導すべきであろう。

質疑応答

Q. 高齢者の肺炎に特に注意すべきことはなにか。
A. アルブミン低値は重症度の指標となる。


教育講演11 新興呼吸器感染症

防衛医科大学校 内科学(感染症・呼吸器)
川名明彦先生

概ね1970年以降に認知された感染症、公衆衛生上の脅威となるものと定義される。
新興感染症の主なものは人畜共通感染症である。
近年特に呼吸器症状を主徴とする新興感染症が多い。
 エボラ出血熱、レジオネラ、C型肝炎、鳥インフルエンザ、SARS, MERS、H7N9鳥インフルエンザなど

新興感染症の台頭する理由

出現
 動物や昆虫との濃厚接触・・・東南アジアでは日本では想像のつかない動物や昆虫との接触がある。
 人口爆発・・・20世紀後半からの人口増加はすさまじい。人口密度により様々な感染症があっというまに広がる素地ができている。
 航空機によるヒトの高速移動・・・世界で1年間に12億人が移動する。
 日本人は1800万人、外国人は東アジアから2600万人が旅行で訪れる。

SARS

コロナウイルス 229E、OC43が風邪ウイルスとして認知されている。
自然宿主はコウモリ由来、ハクビシン、タヌキを経由する。
主に飛沫感染。
2002年に出現し、感染力は強くないが、Super spreading event(一人の患者が多くの他人に感染させる)がある。 潜伏期間は2-10日、インフルエンザ様症状があるが、10-20%はARDSに進展し死亡する。
ワクチンなし。

MERS

2012年に最初の報告があった。
コウモリ由来、ヒトコブラクダを介してヒトに感染する。
現在までに2200人ほどの感染報告があり、致死率35%。韓国でアウトブレイクがあった。
限定的ヒトヒト感染の報告あり、特に院内感染。
Super spreading eventの報告あり。
臨床像はSARSと類似。
予防はラクダとの接触をさける。
ワクチンなし。
・Super spreading eventとは、
 一人だ多数のヒトに感染させる。
排出ウイルス量の多いSuper spreaderの存在

鳥インフルエンザ

A(H5N1)

 40歳以下が90%
 21年間で860人が罹患、致死率53%。
 主に鳥からヒト、ヒトヒト感染は少ない
 2017年5月以後発生報告なし。
 ベトナム、インドネシア、エジプト
 年齢中央値は18歳、40歳以下が90%以上、若い人が多く、基礎疾患が少ない。

A(H7N9)

 2013-18年の5年で1563人 致死率39%。
 主に鳥からヒト、ヒトヒト感染は少ないが、家族内や院内感染の報告がある。
 ほとんど中国で冬場に流行しやすい。
 年齢中央値は53歳、65歳以上が46%と比較的高齢。基礎疾患を有する例が多い。
 軽症例や不顕性感染も報告あり。
治療;H5N1、H7N9のどちらもノイラミニダーゼ有効。

新興呼吸器感染症への対応

感染した場合の致死率が非常に高いので、現段階では接触・飛沫・空気のフルバリアプリコーションが推奨されている。しかし、常にフルバリアプリコーションは行えないので、標準予防策に加えて経験的予防策を行うのが現実的である。 例えば、
 発疹と上気道症状があれば・・・麻しんを疑って空気予防策
 下痢嘔吐で冬 ・・・ノロを疑って接触予防策を入れる
 こういったエンピリカルプリコーション を行うことが、新興感染症対策に有効である。

症候群サーベイランスによる早期察知

 新興感染症はある日突然発症するのであるから、診断はできない。病原体ではなく症状をもってアンテナを張っておく方法。
 主にバイオテロを対象に行われるが、ある時期発疹性疾患が増えているとか、髄膜炎様症状が増えているときには注意が必要である。

mass gathering

人の大量移動は新興感染症発生拡散のリスクである。大勢の人が一箇所に集まることは様々な感染症が発生したり拡散するリスクである。例えば宗教上の集まりやオリンピックなどが挙げられる。
2020年の東京オリンピックに向けて種々の学会が対策検討している。
新型インフルエンザ(H5N1)にワクチンを備蓄している。
現在は新型インフルエンザが発生しても4ヶ月で上市できる見込みである。

まとめ

1.新興感染症はいつでも出現しうる。
2.平時からの感染対策が重要である。標準予防策に加えて経験的予防策を加える。
3.海外渡航時には、どこで何が流行しているか、アンテナを張っておく。厚生労働省のホームページなどをチェックする。
4.動物や昆虫との接触に注意する。
 中東ではラクダの背中に乗るツアー、や東南アジアでは象の背中にのってジャングルに入っていくなど身近にある。
5.日々の情報収集。
6.人権への配慮。


共同企画6
(日本リウマチ学会、日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会)

全身性疾患における肺病変ー成立機序から考えるー

関節リウマチ肺病変の成立機序

JCHO東京山手メディカルセンター呼吸器内科
徳田均先生

RAは70万人である。
以前は予後不良といわれ、女性20%、男性30%は呼吸器疾患死亡である。
現在47%の患者に生物学的製剤を投与されているが、いまだ呼吸器疾患死がおおい。

RAにはなぜ気道病変や肺病変が生じるのか

中枢病変として気管支拡張症が30-40%と報告されている。
一般人口の10倍以上の罹患率である。
末梢病変は、細気管支病変であり10-20%程度である。
いずれも強い炎症性変化による。
症例:長年DPBとして治療されたが、改善しなかった。
肺に吸入される微生物や微粒子は関節リウマチでは過剰な免疫反応を生じると考えるとよいであろう。
過去の理論では、気道定着細菌 →Mファージ→好中球性炎症→活性酸素→気管支の気道炎症→気管支拡張症
なぜ細菌が定着するのかを説明していない。この鍵がマイクロバイオームである。
マイクロバイオームは宿所の免疫システムと活発に応答している。
下気道は無菌ではない。この乱れdysbiomeが疾患に関与すると考えられている。
RAにおけるGUT-LUNG-JOINT-AXISという概念も最近は言われている。

RAによる死亡

全死亡は確実に低下しているが、RA-UIPによる死亡はむしろ増加している。
・RA-UIP(リウマチ肺)の発生機序はいまだ不明であるが、
演者らはRA-UIPは気道炎症から発生するのではないかと仮説を立てており、
気道炎症を制御できればRA-UIPの進行を抑制出来る可能性があると考えている。
その根拠として、
 画像上は気道との密接な関連を指摘できる例が多い。
 臨床経過として気道感染症状を反復する。
 死亡例の約半数は感染が主原因である。

症例1:気道感染症状を繰り返し7年かけて徐々にIPと気管支拡張症が増悪していく例をHRCTの経過にて示された。
病理;小葉中心部の気管支に強い炎症が起こっており、周辺の破壊を認める。
 細気管支末梢には嚢胞性変化と炎症細胞浸潤 →細気管支の破壊性拡張。
 拡張した気管支や細気管支、肺胞領域はほぼ消失
CT:気管支に沿って長軸方向に多数の透亮像、嚢胞多発・・・細気管支拡張
→持続性炎症に伴う末梢気道の破壊性拡張である。

症例2:淡いすりガラスの胸膜下病変(胸膜から少し離れた部位)があり、年余で徐々にすりガラス内に嚢胞が突然形成し気管支壁肥厚する。

症例3:緑膿菌感染を繰り返す症例
 一見してUIPに見えるが、丹念に気管を追っていくと末梢の細気管支拡張である。

・まとめると、演者の考えでは、
 従来RAの肺嚢胞性病変はUIPとされてきたが、その一部は気道炎症による細気管支の破壊性拡張による。
 過去40例の紹介を受けたリウマチ肺病変(蜂巣肺)を再読影すると、1例をのぞきこの機序と考えられた。
 RA患者の蜂巣肺様構造は形成機序はUIPと全く違う!・・・気道型IPと演者らは呼んでいる。

・治療
 気道炎症を制御して、破壊性・線維化を伴う病変を生じにくくする。
(詳細は今回時間なく論文で確認を)

質疑応答

Q 血管炎から間質性肺炎と考えていたがどうか。
A RAについて血管の炎症の関与はない。
Q MTXや生物学的製剤はなぜ関節に効くのに肺には効かないのか?
A NSIPタイプの間質性肺炎には有効。演者らは2例の自験例をもつ。
 しかし一度IP形成を起こすような強い免疫応答がはいると止められない、微生物が暴れる?みたいなこともあるのかもしれない。
演者らは気道炎症性反応によると信じているので、抗繊維化薬は効果ないと考えている。
Q MTX投与例に肺病変を経時的観察した症例はあるか
A そのような観点からは検討していない。
Q リウマチ肺におけるマイクロバイオームはどのように考えるか
A リウマチに限定したマイクロバイオームの研究はない。
 あくまで推察である。


炎症性腸疾患に合併する肺病変の発症機序ー免疫学的観点からのアプローチー

札幌医科大学消化器内科学講座
仲瀬裕志先生

炎症性腸疾患は年々増加している。

現在UCは20万人の病気であり。欧米にひきつづき世界第2位である。
・炎症性腸疾患(IBD)の発生機序はまだ十分に解明されていない。
 粘膜免疫の異常が本態であろうといわれ、そこにはマイクロバイオームも関与する。
 海外で報告されている感受性遺伝子は日本では明らかではない。 
 遺伝子異常が見つからなくても、epigeneticsの異常で疾病は起こりうる。
・治療のターゲットは粘膜免疫の異常である。

粘膜免疫が重要。

 粘膜バリア機能障害・・・UCについては最も重要
 MファージやDC、リンパ球等
昔はクローン病はほぼほぼTH1の病気でありマクロファージの機能異常である。UCはTH2だと言われていたが、UCに関して最近の研究では少し違う。
UCは様々なサイトカインが関わる疾病であり、TH2, TNF , IL-9, IL-17, IL-33などが関与する。
UCは腸管粘膜の異常(上皮機能障害)である。
・IBD患者は腸管外の多彩な合併症を有する。

症例1 UCに対して大腸全摘したのち、肺にすりガラスが出現。
 当初は吸入ステロイドICSが有効だったが、再発時にペンタサ投与で肺病変が寛解した。

症例2 同時に肺浸潤影を認めたUCに白血球除去をしたら、すべて肺陰影が消失した。
つまり腸管由来のリンパ球はいろんなところに迷入していく可能性があると考えてもよいのではないか。
肺・気管、消化管は発生学的には同じ内胚葉由来である。そもそも肺と腸管の環境は似ており、上皮には細菌がうようよいる。リンパ濾胞は腸管にGAL,T、肺にはBALTがある。
・無症状のIBDでも約20%は肺病変を合併し、BALF細胞の検討でリンパ球は増加しCD4/8比は上昇しているとする報告もある。
 また、IBDに関するヨーロッパのステートメントでも、肺病変の合併を示唆している。
・慢性気管支炎、慢性細気管支炎、→内科的治療で治る可能性がある
 感染症・・・これは抗TNF抗体などによる薬剤性が多い →呼吸器科医に相談すると思う。

腸と肺の相互作用のメカニズムは何か。

そもそもIBDは慢性気管支炎を起こすと言われている。
COPDや喘息を持っている患者は炎症性腸疾患を発症リスクが高い(欧米のデータ)。
MMP異常、マイクロバイオーム、サイトカイン、の3つの要素が肺病変発症に関与しているのではないかと考察されている。
・演者らの実験では、UCのマウス(Ralが活性化しているマウス)の腸管粘膜には、免疫染色にて炎症細胞浸潤が起こりMMP9と13が増加していた。→この2つが多いと上皮においては細胞間隙を広げる?ので細菌が定着しやすくなり炎症がおこりやすい。これは気管支粘膜でも同様であることを確認した。
 →Ralが亢進していると、腸にも肺にも軽度の炎症がおこる。
このマウスに人為的に大腸炎を起こすと、IL-1β、INFγ、IL6、がどんと上昇しその結果反応性にIL-10 も上昇する。肺内にIL-6が上昇する。→UCのマウスの大腸炎は肺に炎症を起こす!
Ral活性化させるとIL-1βがまず上昇→MMP発現亢進→リンパ球が粘膜に浸潤→細菌の浸潤と推察。
(注:IBDの病態に関与するサイトカインとしては tumornecrosisfactor-α (TNF-α)、interleukin(IL)-6,IL-12/IL-23,IL-10が重要であり,これらを抑制すれば IBDの治療となり得るらしい。)

BALT

なぜ腸管でactivationされたリンパ球が肺に行くのか。
CXCL12は炎症で亢進する。
CXCL12/CXCR4 をブロックすると潰瘍性大腸炎が抑制される。
OVAで感作した喘息のモデルでも、CXCL12/CXCR4 axisをブロックすると炎症が改善し、その理由はMMP9の発現を抑えることによる。
(注:CXCR4は好中球やCD4,CD8T細胞表面に発現、CXCR12は大腸粘膜に発現している。CXCR4発現レベルはUCの臨床的活動度と相関するとのこと)

慢性炎症では局所のTGFβ1が活性化している。

肺においてIL-6が増えると→IL-6存在下のTGFβ1との共刺激→naiveCD4陽性T細胞からTh17へ分化→IL-17が増えて間質細胞を刺激しCXCL12の発現増強する。→腸で感作されたCXCR4陽性リンパ球が肺に集まる。

まとめ

消化管と肺はよく似た環境である。(例:泥鰌は腸呼吸である)
MMP、ケモカイン軸はIBDの肺病変の発症機序に重要な要因である。
IBDをしっかり治療することが肺病変の治療につながる。

質疑応答

Q 演者の実験系ではTNFαはあまり動いていないように見えたが…
A 少なくとも肺に関してはTNFαは動かない、どちらかと言うとIL1βが動くが理由はまだ不明である。


サルコイドーシスーアクネ菌病因論から考えるー

東京メディサイトクリニック
山口哲生先生

サルは全身性のどこにでも肉芽腫性病変をつくる疾患である。
サルコイドーシスの原因は何か。
アクネ菌(P.acnes)が有力である。
PAB抗体(アクネ菌菌体に対する特異的モノクローナル抗体)による免疫染色でサルコイド肉芽腫に陽性像がでる。
世界的にはアクネ菌とサルコイドーシスには強い相関がある、という表現にとどまっているが、演者らはアクネ菌がサ症の原因と考えてもよいのではないかと、と述べていた。

ここからは、アクネ菌がサ症の原因と考えて話をすすめる。
・生体はアクネ菌に強い免疫反応をおこしており、液性免疫レベルでは健常人でも反応しているが、サ症では細胞性免疫反応も起こす。
すなわち、アクネ菌に細胞性免疫反応を起こす人がサ症になることを意味する。
・アクネ菌によるサ症の肉芽腫形成の機序
アクネ菌は経気道的に肺胞へ→マクロファージに潜伏感染 →ストレスなどの内因性活性化→さまざまな因子により細胞内増殖→オートファジーやTH1免疫反応→過剰なTH1免疫反応により肉芽腫を形成し所属リンパ節の腫大。 初感染病巣は作らない。

結核菌とアクネ菌のアナロジー

結核菌は好気性菌で人体と共生できない。アクネ菌は嫌気性菌で人体と共生している。
両者ともに液性免疫で破壊されないマクロファージ内に潜伏感染を起こし、類上皮細胞肉芽腫を形成する共通点がある。
結核症の肉芽腫形成は生体防御反応であり、免疫反応のあるほぼ全員に発症する。
サ症はアクネ菌の過敏反応として発症するので、素因を持つものにのみ発病する。
結核は初感染結核→初期変化群を起こす。肺門リンパ節→静脈に入り→全身へ。
アクネ菌は軽気道的に肺胞へ→リンパ管へ→マクロファージが貪食する、一部はリンパ管内で免疫グロブリンが結合する。 →マクロファージはリンパ流に乗って所属リンパ節(主に肺門縦隔リンパ節)へあつまる。初感染病巣は作らない(免疫反応が弱いからである)。
アクネ菌は非サ症の肺門リンパ節の56%に培養陽性である。つまり潜伏感染している。
 →活性化して過剰なTH1免疫反応がおこると肉芽腫が形成される。その結果BHLが生じる。
・リンパ管内皮細胞内にPAB抗体染色陽性である。つまり潜伏感染しており、どこにもいる。
潜伏感染 → ストレス等→ 内因性活性化 → 細胞内増殖 →過剰なTH1免疫反応誘導→肉芽腫形成 ・・・ステロイドが有効な病態
潜伏感染 → 内因性活性化 → 細胞内増殖 →血流に乗って細胞外免疫複合体形成(例えば網膜症になるもの) ・・・ステロイドが効かない病態
免疫複合体

サルコイドーシスの肺病変新分類

BHLの有無は問わないことになった。 治療に活かしたい分類であるのでBHLは治療に無関係であることから。
P1型:肉芽腫型 肺の血管には無関係
P2型:肺の血管にまとわりついてくる。リンパ流によって流れ着いてくるもの
P3型:線維化がおこり収縮がおこる
P4型:線維化が完成し肉芽腫が消失したもの ・・・上葉が収縮し、気管支血管速に沿った嚢胞や気腫

なぜ上葉に病変がおきるのか

リンパ流が細いためひっかかりやすい。
胸膜に達する病変もあるが、リンパ流において胸膜でアクネ菌が引っかかるとそこで病変をおこす。

2.ステロイド後の再発

同じ場所から再発する、病因論からあきらか。
アクネ菌に対してアレルギー反応が続いている限り再発する。

3.自覚症状に応じてステロイド治療すればよい。

自覚症状が乏しい患者は治療しないのが原則。ただしFVC<70%なら行うかも。
陰影の強さではない。

4.自然改善した陰影は再燃しない。

演者らによると、306例中45例が2年後に自然寛解した。うち44例は再発していない。1例はフォローできず。

症例

陰影が自然寛解した症例。
PSCFS (全身症状) 倦怠感と微熱。数日に一度は倦怠感でおきれなくなる。
この症状がなぜ起こるかは今だ不明であり、ステロイドも無効である。
今のところどうしようもない。


膠原病肺

大阪医科大学内科学(IV)リウマチ膠原病内科
槇野茂樹先生

今日の発表は演者のサジェスチョンであり、コンセンサスを得られたものではない。
間質性肺炎の慢性型の分類をそのまま膠原病とひとくくりにするのは問題である。
OPは細気管支病変である。
DADは肺胞上皮の障害であり死亡する病態である。
NSIPは肺胞隔壁に炎症がまずおきてサイトカインが放出され繊維化し、fibroblastic fociを形成。
UIPの本質は肺胞上皮壊死後の過剰な線維化を伴う異常修復過程で形成する。
最近NSIPの亜急性は分類から除外されたが、演者は少々問題と考えている。

画像の病型と膠原病について

急性OP/DAD・・・ RA、DMが起こりやすい、
 基礎疾患の病勢と発生とは無関係、安定していても起こりうる。
 DADは背景にUIP型画像を有するものに起こりやすい。
 SLE、MPAに伴うDADは膠原病の病勢を反映する。肺胞出血を伴うこともある。
 DMに伴うOPは同じ位置に再発しやすく重症化してDADとなることもある。KL-6が上昇する。(↔一般的にOPはKL-6は上昇しない。)
UIP型・・・RA、MPA、MCTD、PM/DM 
慢性型NSIP・・・PM/DM、強皮症、その他RA
 SScのNSIPは他のNSIPより肺胞隔壁の炎症は少ないが、繊維化は強い。
 SScの慢性繊維化性IPは網状影が主体
 PM/DMのIPは線状影・すりガラスが主体である。
・Possible UIPは強皮症に非常におおい。
・演者らの施設ではSSc-IPは抗Scl-70 抗体の頻度が多く治療が必要(予後不良)。抗セントロメアは少なく治療が必要なものは少ない。肺高血圧がでたら早期に治療を要する。
・PM/DMは時相の早い症例は予後不良。
抗MDA5抗体陽性筋炎は予後不良。
抗MDA5抗体陽性例の画像・・・ 線状影+すりガラス とくにrandamGGOは不良


全身性血管炎-ANCA関連血管炎を中心にー

自治医科大学内科学講座呼吸器内科学部門
坂東政司先生

ANCA関連血管炎と間質性肺炎の成立機序はまだ確立されたものがないので、今後の提言として発表された。
血管炎には大型血管炎、中型、小型に分類されるが、ANCA関連血管炎は小型血管炎である。昨年ANCA関連血管炎(AAV)診療ガイドラインが上市された。
・IPF診断例の15%はANCA陽性であった。最初から陽性と経過中に陽性になるものがある。
・昨今ATS/ERSはCTD-ILDをIPAF にまとめられているが、ANCAは入っていない。
血管炎だから、ということらしい。
・ANCAは単なる抗体ではなく、病因として重要。
薬剤や珪肺、シリコーシス、アルミニウムなどで誘導されることが知られる。アスベストはかなり少ない。
・ANCA関連血管炎からみたILD,PFDについて
MPOーANCA・・・日本に多い。 PR3-ANCA・・・欧米に多い。
ギリシャからの報告では、MPO-ANCA陽性例のN=33例中13例にIPを認めた。
日本ではMPOーANCA陽性の45%に間質性肺炎を合併する。肺限局型も報告されている。
・ILD,PFDの合併はどちらも血管炎の予後不良である。
 高齢、男性、UIPパターン、MPA、IP先行などが予後不良因子である。
・VATSによりIPF/UIPと確定診断した自己抗体陰性群 VS 血管炎を発症していないANCA陽性UIPパターン群 の比較では、
後者は、HRCTにて蜂巣肺・気管支拡張の周囲に濃度上昇・すりガラス陰影、病理では形質細胞浸潤、リンパ濾胞、濾胞性あるいは細胞性細気管支炎 を認める。
・まとめ間質性肺病変とANCA関連血管炎との合併は決して稀ではない。
ANCA陽性間質性肺炎のまま、全身疾患を呈さないものもあり、その後血管炎を発症するものもある。 →腎限局型MPAが提唱されているように、肺限局型と言ってよいか。
・演者が厚労省のびまん性肺疾患調査研究班の先生方に意見を求めたところ、
 ANCA関連血管炎の症状を発症していないANCA陽性間質性肺炎について、血管炎を発症するまではIIPsの一つとして分類するのが妥当、というコメントであった。
・治療
 血管炎(AAV)ならばガイドライン通りステロイドとIV-CYを使用するが、UIPパターンに見えるだけのANCA陽性間質性肺炎ならば抗線維化薬を投与する。
以上の問題点をふまえて、現在国際学会で症例集積予定である。

質疑応答

Q ANCAの数値の程度で臨床経過は予測できるのか。
A 肺胞出血についてはANCAのtiterが高いが、経過での病勢を予想できないという報告が多い。バイオマーカーとしては使えない。


ランチョンセミナー30
在宅酸素療法導入のための病態評価と個別的状況に合わせた処方

堺市立総合医療センター呼吸器疾患センター長・呼吸器内科
郷間 厳先生

2つの相反するstudyがある。
安静時SpO2 88%以下のCOPD患者は常時吸入の方が予後がよい。
その後、重症COPDに対して24時間酸素吸入と15-16時間吸入では予後は同等だった。 (2016年のコホート試験)
 →酸素吸入をちょっとくらい外してもよい?かもしれない。
・重症肺気腫への酸素療法
 安静時60mmHg以上の患者には、酸素吸入により予後は変わらず。
・LOTT試験 :NEJM 2016 LOTT trial reaserch groupによる報告では、
  酸素吸入時間は自己申告であるが、軽症のCOPDへの酸素投与は死亡率を下げない。
初回入院・死亡に酸素療法は有意差なし。
解釈1.PaO2 69以下の中等度の低酸素血症の呼吸困難、増悪頻度、運動能、睡眠時O2低下は評価されていない。
酸素を使ううえで、低酸素の有無以外に、吸入により症状改善するかどうか、も重要な要素である。
・COPD患者に長期酸素療法を実施しながら運動療法すると、運動能が改善する可能性がある。
酸素吸入している方が息をゆっくり吸ってゆっくり吐けており、呼吸数が減少する。
横隔膜筋電図をモニターした研究では、酸素吸入している群は横隔膜疲労が防げることが証明された。
呼吸回数は酸素トレーニング群が改善する。
・安静時にPO2 正常で労作時低酸素となる症例はどうか
一回の換気量は酸素投与でどうなるか。
・COPDの患者は全年代において認知機能は低下しており、特に若年のCOPDほど認知機能が同年代と比較して低下しているという報告がある。
酸素投与は認知機能を改善させる可能性あり、持続投与・夜間睡眠中ともに有効だが持続投与がより有効である。
SpO2 88%以下になると認知機能が有意に増悪する。適切な時期に酸素投与を開始するのは認知機能悪化を防ぐ意味で考慮すべきである。
酸素投与トレーニング群と空気投与トレーニング群では
・肺高血圧がある場合は、酸素吸入は比較的急性の肺動脈圧降下に有効である。
肺動脈圧低下作用を速やかに認める群では予後がよいが、認めない群では、生命予後が悪い。
肺高血圧の傾向がある群には少なくとも酸素投与を行うべきである。 
肺結核後遺症や間質性肺炎においても酸素投与群の予後が改善する傾向にある。
・COPDガイドライン2018では、薬物療法、非薬物療法、を順次おこなって効果不十分な場合に酸素療法を追加する位置づけとなってる。
 例えば前かがみの姿勢(入浴で苦しくなる、庭の草むしりをする)や洗顔で息こらえ、着替えなどで急性増悪がおこることがあり、まずはこのような姿勢を避けていただく。すなわちリハビリやADLトレーニングは100%実施した上で、酸素吸入を導入するべきとされる。
・どのような人に酸素を導入するのか
 実際に動いてみて酸素が下がる人に酸素を投与する、という評価を行う。
安静時は正常だが運動時低酸素となる代表的疾患に間質性肺炎があるが、低酸素は息切れが増すだけでなく、肺高血圧の合併、右心系負荷が加わり状態が悪化することがある。
適切な酸素投与量は6分間歩行時の低酸素の程度できめるが、いつもできるとは限らないことから、オキシメータを患者がモニターして決定する方法が勧められる。
・メガネ型酸素カニューレは見た目を気にする患者には検討すべきである。
・酸素需要が非常に高い患者は、外出時にボンベの酸素容量では賄えないため外出もままならない。あるいは若年者で少しでも外出したいという患者に、ペンダント型オキシマイザーは酸素節約効果があり、運動時に使うと労作時低酸素血症を軽減できる。その機序であるが、3秒で呼吸すると早期の0.5秒が吸気、0.5秒は死腔への供給、のこり2秒は呼気。よって、吸い始めの0.5秒で酸素がしっかり入ればよい。吸気早期に酸素を集中させれば酸素が節約できる。労作時低酸素血症が高度となるのは間質性肺炎にしばしばみられる。
・デマンド型供給装置やリザーバーカニューレを使用する場合、COPDは両者の有効性に差がないが、間質性肺炎に用いる場合は注意が必要。吸気時間が短いのでデマンド型では(吸気に間に合わず)労作時SpO2低下する可能性ある。したがって間質性肺炎にデマンド型を用いる場合にはSpO2を実地でモニターして投与量を決定すべきである。
・結核後遺症に対する酸素療法の予後改善効果は明らかであり酸素吸入が必要であるが、拘束性換気障害であるので高炭酸ガス血症に対して適切な時期にNPPVの導入しないと予後に差が出る。
・肺MAC症の場合の酸素療法の予後を調べた論文はない。繊維空洞型(繊維化が強いタイプ)や繊維空洞型+結節型は予後がわるい。
・間質性肺炎についてMayo Clinicの報告では酸素吸入による予後の改善効果はなかった。QOLやADLは検討されていない。他の報告では酸素投与は予後を改善したというものもあり酸素吸入は必要であろう。
・慢性心不全への酸素投与の効果
 SpO2が90%未満となる慢性心不全にSpO2 90%以上キープするように酸素投与すると、年間の入院頻度が減少した。
 他の報告では夜間の呼吸イベント・活動性も改善している。
OSAを合併した場合、AHI20以上でCPAPが勧められる。最近の報告ではASVの予後改善しない報告があり保険適応からはずされたが、個別には必要な症例もあると考えられる。
・酸素濃縮器・携帯酸素装置の進歩
 携帯型酸素濃縮装置 ハイサンソポータブルシリーズ
が上市された。これの利点は外出時に酸素ボンベ切れがないことである。
一方で酸素供給量の上限(~3L)があり、労作時こそ酸素がほしい患者には適応できない。持ち歩き時の不安がある。
小春3は、軽量小型化しておりバッテリ内蔵しているので、室内の長い酸素チューブの取り回しは必要なくなる。
Q. 安静時PO2 60以上の患者が労作時に息切れを訴える場合は酸素吸入は必要か。
A. 労作時に低酸素血症を伴うのであれば酸素吸入は有効であろう。
 労作時低酸素血症を伴わない場合は、ADL訓練だったり呼吸リハビリだったりが有効な場合もある。

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