2020年12月9日に開催されたWEB開催の喘息講演会:◆AIR WAY WEB を聴講し、最新の知見を学びましたので報告します。

以下の記載は私の聴講メモですので、記載に間違いがあっても責任は負えませんのでご了承ください。

演題1:気管支喘息におけるType2炎症

慶應義塾大学医学部呼吸器内科 教授
福永 興壱 先生

気管支喘息のフェノタイプにはアレルギー性好酸球性喘息と非アレルギー性好酸球性喘息、さらには好中球性喘息がある。
非アレルギー性好酸球性喘息は、気道粘膜の障害で気道粘膜細胞から放出されるIL-33、IL-25、TSLPが2型自然リンパ球ILC2を活性化しType 2サイトカインであるIL-5、IL-13 を放出して、好酸球を活性化させ好酸球性炎症を生じる。
このILC2の臨床的に重要な点は、喘息治療においてステロイドを用いても効果が得られない病態(ステロイド抵抗性)に関与していることである。
演者らによるマウスの実験では、マウスにIL-33+TSLPを点鼻するとステロイド抵抗性の肺ILC2が誘導されIL-5、IL-13 を放出し生存しつづける。
その結果好酸球性気道炎症を惹起した。
ILC2はステロイド抵抗性の根本的な細胞と考えられてきている。
ヒトILC2はCRTH2という受容体も発現している。
CRTH2にPGD2で刺激すると遊走をはじめ、IL-4、IL-5、IL-13を産生する。

肺内の好酸球は採取が困難なので、演者らは好酸球性副鼻腔炎ECRSの好酸球を観察した。
この好酸球は形態が明らかに相違している。
Omics解析にて炎症性脂質(LTD4)が過剰産生し、抗炎症性脂質(LXA4)の産生が低下していることが判明した。
その理由は、LTD4を産生するための酵素5−LOX、FLAP、GGT5の発現が過剰となり、LXA4を産生するための酵素15-LOXの発現は低下しているからであった。

鼻茸好酸球は炎症と抗炎症性脂質のバランスが完全に崩れてしまっている好酸球となっている。
TLR2、NOD2等の微生物構成成分に対するパターン認識受容体が異常となっていることが判明した。
そこで演者らは、正常好酸球をType2サイトカインの環境下におき、さらにTLRを細菌や真菌のリガンドで刺激するとどうなるか検討した。
その結果、鼻茸好酸球と同じ性質の好酸球に変化した。

演題2:CRSwNP合併喘息におけるデュピクセントの有用性と注意点

新潟大学 呼吸器・感染症内科学分野 准教授
小屋 俊之 先生

海外の報告では重症喘息における副鼻腔炎の合併はCT検査で84%もある。
演者らの症例を副鼻腔炎ありとなしで比較するとありのほうがFeNO高値、喀痰好酸球比率が高く、%FEV1は低値、増悪回数が多かった。
Type2炎症において、好酸球の骨髄における分化・増殖はIL-5、組織への遊走はIL-13、IL-4、B細胞のIgEクラススイッチにはIL-4、気道リモデリングはIL-13、平滑筋収縮にIL-13、過剰なフィブリン網(鼻茸)形成にIL-13、IL-4、が関与する。
デュピクセントは末梢血好酸球数が多いほど、増悪抑制効果がある。FeNO高値ほどデュピクセントの効果が高い。
デュピクセント投与2週間で肺機能は非常に改善する。
早期から改善するのがデュピクセントの特徴といえる。
末梢血好酸球数が多いほどOCS減量効果が高い。
好酸球性副鼻腔炎に対する効果は、自覚症状SNOT-22スコアの有意な改善、Nasal polyp scoreや嗅覚の改善もみられる。
画像において有意な改善、鼻ポリープ内の好酸球は激減する。
末梢血好酸球数は増加する。
好酸球はデュピクセント投与前から高値の症例がおおい。
稀ではあるが、好酸球増多による有害事象が報告されている。
投与開始後4ヶ月で末梢血好酸球数が9000を越える状態となり、好酸球性肺炎発症、皮疹 があり皮疹部位の生検で真皮の血管周囲に好酸球が浸潤していた。

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