第30回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会聴講録

2021年3月19日20日に、第30回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 がWEB開催されました。何度も聴講し学習いたしました。

(注意)あくまで私の聴講メモですので記載内容が正確でない可能性があります。責任は負えませんのでご了承ください。

目次

こちらの記事は以下の内容が書かれています。

コーヒーブレイクセミナー5
どんとこい!!呼吸不全

武知 由佳子先生

ランチョンセミナー11
慢性呼吸不全患者に対する在宅呼吸ケア導入の要点

福井 基成先生

わかりやすく簡単な呼吸困難の説明
兵庫医科大学生理学講座生体機能部門 越久 仁敬先生

呼吸困難を訴える患者の対応
-肺機能検査結果から病態を考える-

東北大学病院睡眠医療センター/呼吸器内科 小川 浩正先生

呼吸困難への対処法
甲南医療センター 緩和ケア内科部長 山口崇先生

コーヒーブレイクセミナー5
どんとこい!!呼吸不全

武知 由佳子先生

新型コロナの影響により神奈川県の自宅療養患者は1000人程度から5000人程度に急増し、自宅での変死者が急増。医療崩壊となった。
そこで演者は患者の命を守るために、自宅でHOT導入し、ステロイド、コルヒチン投与しながら待機、急変した場合すぐに入院困難な場合はCPAP、NPPV(閉鎖回路、Vフィルター付き)も導入して自宅待機をサポートされていた。
(武知先生、ほんとすごいです!)
中等症で感染のリスクがなくなれば、また重症の挿管例は抜管後は早期退院、在宅フォローによりベッドの回転を良くすることが可能であるとおっしゃっていた。
ICU管理後はフレイル必須なので、早期退院し訪問リハをぜひオーダーしてほしい。

EPAP(PEEP)について

肺の虚脱状態は後遺症を残しやすいので、ARDSだけではなく単なる肺炎にも肺炎の後遺症を残さないためにEPAPは必要である。(Open Lung Strategy)。
気道の変形や軟化による虚脱、閉塞、狭窄症例では、患者の胸郭がアンバランスになっており、あるいは奇異性呼吸となってような症例では、EPAPを徐々に上げていき至適PEEPに達すると、突然人工呼吸器に呼吸が乗り始めたり、奇異性呼吸が消失したりすることが確認できる。
 外観から見えない(つまり患者の様子観察だけではわからない)COPDの気道閉塞では、聴診やグラフィックモニターを見ながら調整すれば改善が見込まれる。

肺や気道の受容体と反応

C-fiber 大きな機械的な変形、化学的刺激、温度上昇 により→ 無呼吸にさせて吸い込まないようにする。血圧低下、徐脈 となる。
Rapidly adapting (RARs) 機械的刺激に過敏に反応、化学的刺激にゆっくり反応 → 刺激物質には咳を誘発し吐き出させる反射を起こす。
Pulmonary stretch(RSRs) 機械的変化、気道壁を伸ばす → 吸気を終わらせたり、吸気延長させたりする。(Hering-Breuer reflex)

風が当たると声帯が閉まるのは元々の生体防御反応である。

NPPVをするとその風の刺激で甲状披裂筋が過活動となり輪状甲状筋が陽圧では興奮しなくなるので、声帯が閉まる方向になる。
声帯の閉まりは、PaCO2が一気に下る、風の吹付け、冷気や熱気 などの刺激でも生じる。前2者はHigh Intensityの功罪になりうる。

鼻マスクがフルフェイスマスクより優れている可能性も示唆される。

無呼吸のない乳児10名の鼻に綿球をつめたところ、食道内圧は3倍となり閉塞性無呼吸となり覚醒反応がみられた。成人でも同様である。
つまり、鼻閉の治療は重要であり、鼻マスクがフルフェイスマスクより優れている可能性も示唆される。

低COP2血症により声門が閉じ無呼吸を誘発することがある。

睡眠時NPPV使用中の4名の患者ののうち3名で、入眠数分後に1分以上の無呼吸が認められた。無呼吸時は上気道閉塞し、NPPVにて過換気状態であり低CO2血症(PtcCO2で20-24mmHg)であった。

◆NPPV下の閉塞性無呼吸のポイント

①マニュアルでEPAPを上げ改善するかどうか確認する。改善するならEPAP設定する。AutoEPAPも可能。
②どこが閉塞するのかをみる。かえってNPPVで増悪する閉塞があり注意が必要。→喉頭の診察は重要である。
③IPAPが上がれば閉塞部が開くのか確認する。器械の動きと合わせて見ていくことが必要である。
④PaCO2の低下で声帯が閉塞していないか確認する。
⑤Nasal Maskに変更し閉塞性無呼吸がなくなるかどうか確認する。
⑥症例ごとに自発トリガー換気だがなるべく呼吸休息できるような最大限のPSを模索する。

ランチョンセミナー11
慢性呼吸不全患者に対する在宅呼吸ケア導入の要点

福井 基成先生

講演内容

慢性呼吸不全患者の病態を正確に把握する
睡眠時低換気の重要性とその治療

SpO2モニタリングのポイント

労作時(食事・排泄・入浴を含む)や睡眠時を測定する。
患者の詳細な行動記録をつけてもらうことが大切。
これらはCOPDやIPFガイドラインでも推奨されている。
提示された症例では、加速度がつよいところ=労作時のときがdesaturationがつよいことが判明した。ただし睡眠中にもSpO2が80%程度まで低下する状態が30分から1時間つづく部分が見られた。
慢性呼吸不全の病態は日中と睡眠中では全く別物とであると考えることが大事である。

経皮CO2モニタリング

経皮CO2モニタリングは、PaCO2 の変化=換気量の変化 を把握することができる。
II型呼吸不全の管理や睡眠時低換気の確認に大変役立つ。
測定機序:皮膚を40-42度に温めて毛細血管が拡張し局所への血流が増大、つまり血管を動脈血化してそこのCO2を測定するものである。
動脈血ガスの二酸化炭素分圧はあまり変動しないイメージがあるかもしれないが、実際には日中と夜間では大きく異なっている。
CO2とSpO2の同時モニタリングでは周期的にCO2が上昇し同時にSPO2が低下していることが観察される。→ つまり周期的に低換気が生じている。

ポリソムノグラフィー(PSG)

SASの診断だけではなく、睡眠時低換気の正確な診断に不可欠である。
経皮CO2モニタリングを併用すると更に効果的である。
REM睡眠(脳が活動して覚醒状態にあるが視床での情報伝達が遮断され、脊髄レベルで筋肉への情報伝達が遮断されて、運動機能が制止されている状態)のときに一致して低酸素血症・高二酸化炭素血症を反復していることが判明した。

慢性呼吸不全患者においてREM睡眠期の低換気(REM低換気)が臨床症状発現に重要である。

→ 夜間低酸素血症、高二酸化炭素血症、肺高血圧症を引き起こす。
→ 頭痛、易疲労感、呼吸苦の増強、
→ さらに進行すると高二酸化炭素血症、肺高血圧症が日中にも顕在化してくる。

睡眠時低換気について

健常人では、REM睡眠時は浅くて早い呼吸になる(1回換気量低下、呼吸回数増加)。しかもREM睡眠では低酸素や高二酸化炭素に対してあまり換気が促進されない(換気応答が鈍くなっている)。
REM睡眠では横隔膜以外の骨格筋・呼吸補助筋の筋力が落ちるので、横隔膜だけで呼吸するようになる。
呼吸不全患者の横隔膜の機能が低下してくると呼吸不全は更に重篤となりうる。

各種疾患における睡眠呼吸異常

COPDなどの各種肺疾患、胸郭変形、神経筋疾患では睡眠中に呼吸異常を認めることがある。
COPDにおいて、覚醒時のSaO2が90〜95%の患者のうち27%から70%で夜間低酸素血症(Nocturnal oxygen desaturation:NOD)を認める。NODを呈する患者では、分時換気量はNREM睡眠時に覚醒時の21%低下、REM睡眠時に39%低下すると報告がある(AJRCCM1999)。また疾患を問わず、REM睡眠時に低換気が著明である。

なぜREM睡眠で低酸素血症・低換気になりやすいのか

REM睡眠 → 肋間筋や呼吸補助筋の収縮低下、浅くて早い呼吸(死腔換気増大)、換気応答の低下 → 分時換気量低下

睡眠時低換気の特徴

NODを伴うCOPD患者は日中のPaCO2と平均肺動脈圧が上昇する傾向にあるが、そうではない症例もある。
夜間のみ5分以上の夜間低酸素血症(NOD)を伴うCOPD患者の予後は、NOD無し症例と比較して有意に予後不良と報告がある(Fletcher ECら、CHEST 1992)。

REM睡眠時の低換気をどのように検知したらよいか

演者らはCO2モニターを用いてPtcCO2がベースラインから5mmHg以上上昇、かつ5分以上にわたって間欠的に上昇し、同時にSpO2が90%未満に低下する現象をeNH(Episodic Nocturnal Hypercapnia:間欠的夜間高二酸化炭素血症)と定義した。
eNHはほぼREM睡眠時低換気に対応する。

eNHを有する患者群の臨床的特徴について (Kitajima T et al. Int J COPD 2018 13 843)

日中のPaCO2<55mmHgの重症COPD患者21名のうち10名でeNHを認めた。eNHの有無で患者属性に有意な差はなく、日中のPaCO2も様々で、日中の動脈血ガスでは判断できなかった。
eNH群はBNPが高値(155pg/mL VS 18)で、推定肺動脈収縮期圧は有意に高値(47.8mmHg VS 33.6)であることが判明した。
eNH群では、1年間で血清アルブミン値が低下傾向であり、栄養状態が悪化していることを意味している。
また、eNHあり群は無し群と比較し、有意にCOPD急性増悪回数が多かった(2.64回/年 VS 0.82回/年)。

eNHを放置するとどうなるか

演者らのある症例(横隔神経麻痺)で、eNHに一致して何度も脈拍が急上昇する現象が認められた。おそらく肺動脈圧が急上昇しているものと推察された。

高二酸化炭素肺血管攣縮

古くから低酸素性肺血管攣縮という現象は知られているが、
最近高二酸化炭素血症が肺動脈圧を上昇させることが報告された。
高二酸化炭素肺血管攣縮(Hypercapnic pulmonary vasoconstriction)という現象である(Dorrington KL et al, J Appl Physiol 108: 1084-96, 2010)。
この報告では、PaCO2が分単位で上昇すると肺動脈圧もそれに合わせて速やかに上昇(肺血管攣縮)し、低二酸化炭素血症では肺動脈圧は低下(肺血管弛緩)することを示した。
→低酸素を改善させるだけではだめである。これからは高二酸化炭素にも注目していく必要がある。
就床時間の30%でSpO2<90%を呈する安定期COPD患者を対象に酸素療法2L/minの治療介入した報告では、酸素療法は全く予後を改善しなかった(Chaouat et al, Eur Respir J 1999)。

eNHに対する治療 はNPPV導入である。

日中にも高二酸化炭素血症(51.9mmHg以上or pH 7.35未満)を伴う重症COPD患者(N=102 )に対してNPPV療法を実施し、PaCO2を20%以上低下させると、有意に予後を改善した(Lancet Respir 2014)。
演者らはNPPVのiVAPSモードを用いて、
 周期的なSpO2の低下をなくし安定化させる
 周期的なPtcCO2の上昇をなくし平坦化する
ことを目標にした。
iVAPSモードでは、EPAP平均5.1cmH2O、PSV最低値3.4、最高値9.7、target 肺胞換気 5L/min、RR17.7回/minであり、忍容性も高かった。
日中のPaCO2は14.4%程度低下した。 
収縮期肺動脈圧は若干の低下だったが、急性増悪頻度は有意に減少した(導入前2.6回/年 VS 導入後1.1回/年)。低下したアルブミン値は回復した。

eNHのある患者にNPPV導入すると、HOT導入予定患者のHOTが不要になるケースがある。

iVAPSモードでは、ほぼ全員がNPPVを継続できる。
導入以後、全く急性増悪を起こさなくなる患者がいる。
HOTより夜間NPPVのみ行うほうが圧倒的に楽らしい(QOLがよい)。

eNH患者の予後 (N=20,うち急性増悪時導入N=4)

安定期に導入した患者は5年後も予後良好(3年生存率87.5%)だが、急性増悪後に導入した症例は予後不良(3生率25%)だった。

合併症でNPPV導入できない症例はどうするか

気胸や縦隔気腫症例はNPPVは導入できない。
ハイフローセラピーは1割程度の患者でeNHが消失する。

演者らの考える慢性呼吸不全患者の呼吸管理のアルゴリズム

日中のPaCO2 >= 55mmHg → 夜間NPPV 機器設定には夜間モニタリング実施
日中のPaCO2 < 55mmHg → 夜間モニタリング実施
 夜間低換気(eNH)あり →夜間NPPV導入 
 夜間低換気(eNH)なし →夜間低酸素血症にHOT導入

わかりやすく簡単な呼吸困難の説明

兵庫医科大学生理学講座生体機能部門
越久 仁敬先生

呼吸困難の定義:様々な強度の、質的に異なる感覚からなる、呼吸に伴って経験される主観的な不快感(ATSの声明2012)
呼吸に伴う不快な感覚で主観的な感覚である。
呼吸器疾患や循環器疾患患者の最も多い訴えであり、COPD患者の82%で認められる。
急性呼吸困難は人命を脅かす疾患群の兆候であることがおおい。
COPDにおいては入院や死亡の予測因子であり、5年生存率はFEV1よりもよい相関を示す。
呼吸困難を伝える経路・レセプターはAJRCCM2012 では16のソースを挙げられており、すなわち単一のものではなく質的に異なる呼吸困難が生じるということである。
最も有名なのは呼吸中枢からの出力である。呼吸努力が呼吸困難のおおもとであると言われている。

質的に異なる呼吸困難を表す言葉

息が切れる(work / effot) ・・・運動時、気道抵抗負荷時など
胸が重苦しい、圧迫感がある(tightness)・・・気管支収縮に関連
息が追いつかない、吸いたりない(air hunger)・・・必要量に対して吸気予備量(IC)が不足

Work / effort - 呼吸困難の共通メカニズム

労作時呼吸困難の強さは、呼吸努力の大きさ(%EMGdi)と関連する(Faisai et al,2016)。健常者、閉塞性肺疾患、間質性肺疾患患者に共通するメカニズムである。
※%EMGdi ・・・横隔膜の最大の収縮時の筋電図に対して何%の収縮がされているかという指標

高CO2はworlk / effort とは独立して呼吸困難を増加させる(Banzett et al,1987: Chonan et al,1990)

すなわち、同じ換気量でも運動よりもCO2再呼吸させたほうが呼吸困難がつよい。

肺伸展受容器からの求心性入力は呼吸困難を軽減させる。

胸郭振動の効果(胸郭に存在する機械受容器の効果)として、吸気時に吸気筋を振動させると呼吸困難は軽減し、呼気時に吸気筋を振動させると呼吸困難は増悪した。

呼吸困難の測定で考慮すべき3領域

1.呼吸困難の(強さの)知覚

Borgスケール、VAS

2.精神的苦痛は

HAD、STAI、BCS(Breathlessness Catastrophizing Scale)

3.日常生活への影響

MRCスケール、Flecher and Huge – Jones

呼吸困難は島皮質(感情の源泉と言われる)や前帯状皮質(認知機能に関わる)であると言われている。

不安感のある患者は息苦しさが増悪し、不安の解消で息苦しさも改善する。

BCSと呼吸困難負荷時の神経活動には関連性がなかったが、呼吸困難を予感したときの前帯状皮質の活動とBCSには相関を認めた。

オピオイドは呼吸困難を緩和させる

精神的苦痛をとる第一選択薬はオピオイドであるが、呼吸中枢における呼吸出力の低下と島皮質や前帯状皮質を介する呼吸困難感の感受性を低下させる。
→持続的な呼吸困難を取るために積極的な使用が推奨される。
用量を調整すれば酸素化や予後には影響しない。

呼吸リハビリテーションは、呼吸困難に有効である。

呼吸困難の知覚強度は改善しないが、精神的苦痛や日常生活への影響が軽減することが知られている。
身体活動レベルを維持させることが重要である。

呼吸法による呼吸のセルフコントロールも呼吸困難に有効である。

深い腹式呼吸・・・丹田呼吸法、ヨガ、読経
ため息、呼息呼吸などがある。

Take home massages

呼吸困難は原因疾患の特定と治療が最優先される。
慢性の呼吸困難は身体的治療だけでなく精神的苦痛に対する対応が求められる。
COPDの呼吸困難の軽減には、運動、セルフマネジメント、身体活動性維持が重要である。

質疑応答

Q.COPDは吐けなくて苦しいという感覚もあるのではないかと考えるがどうか。
A.吐けないからFRCレベルが上昇しICが減少するのであるが、患者はICが減ったことで吸いシロが減ったことを「吸わせてくれ」と訴える。
FRCを上昇させないようなリハビリなどは有効である。

Q.呼吸リハビリによる呼吸困難の改善機序として内因性オピオイドが増加するというような報告はあるか。
A.論文については存じないが、可能性はあると思う。

呼吸困難を訴える患者の対応
-肺機能検査結果から病態を考える-

東北大学病院睡眠医療センター/呼吸器内科
小川 浩正先生

呼吸困難の主な機序

低酸素血症・高炭酸ガス血症 → 換気応答性 →空気飢餓感
大脳の運動野 呼吸仕事量増加 → 呼吸努力感
呼吸ドライブ↔胸郭・肺可動性 → フィードバック → 吸気/呼気困難感・不足感
空気飢餓感 → 換気量増加 → 呼吸努力感 → 換気量維持困難 → 吸呼気困難感

フローボリウムカーブから

換気障害の病態

拘束性換気障害の場合には1回換気量に増加制限があり、換気量を増加したい場合には換気効率の悪い換気回数増加の反応が早く起きるため呼吸困難が生じる。

呼吸困難への対処法

甲南医療センター 緩和ケア内科部長
山口崇先生

各疾患における呼吸困難に対するオピオイドの立ち位置

がん患者の呼吸困難にはモルヒネ全身投与を行うことを推奨
COPDの呼吸困難にはモルヒネは効果が確認されており、投与量を適切にコントロールすれば呼吸抑制の問題はほとんど生じない(日本呼吸器学会 COPDは診断と治療のためのガイドライン2018)。
NICEガイドライン(英国)では、終末期COPD患者に適切であれば呼吸困難緩和のためにオピオイドを使用すると記載あり。
カナダでは、経口オピオイドを推奨するとあり。
心不全の呼吸困難では少量モルヒネが有効、かつ安全、欧米でも概ね慎重に使用可能としている。

各疾患で実際の効果は違うのか?

がんでは皮下注射も経口投与も治療効果は変わりない。
COPDではオピオイド(モルヒネだけではないが)有効である。
これまでの研究は小規模クロスオーバー単回投与という問題がある。
COPDが6割を占める患者群に対して、THORAX 2020に報告された報告では、モルヒネ20mg/日を投与した群とプラセボ群では有意差ががなかった。
演者らの研究では、オキシコドン群とモルヒネ群で呼吸困難はがん患者にモルヒネよりもオキシコドン有効だった。
フェンタニルの皮下注、OTFC、経鼻スプレーでは有意差はなかった。

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