第70回日本アレルギー学会学術大会 その2

※第70回日本アレルギー学会学術大会は2021年10月8日から10月10日までパシフィコ横浜にて開催されました。
私はWEB参加し、何度も繰り返し聴講して最新の知見を学びましたのでご報告します。

以下の記載は私の聴講メモですので、記載に間違いがあっても責任は負えませんのでご了承ください。

目次

こちらの記事は以下の内容が書かれています。

◆シンポジウム13

●S3-1 Type2炎症のバイオマーカー

東北大学呼吸器内科学分野
玉田勉先生

バイオマーカーとは以下を満たすものである。(JACI 129;S9-23, 2012)
 血液、喀痰、尿、呼気ガスなどで繰り返し測定可能なもの。
 生物学的状態(正常、病的、治療介入後の薬理学的反応など)を反映する。
 客観的に測定 ・評価される。

喘息のバイオマーカーとは、

1.Diagnostic:慢性の気道炎症や臨床病態を反映することで診断に役立つ
2.Predictive ::特定の治療に反応する患者を予測する
3.Prognostic:増悪など予後不良となるリスクを反映する
4.Monitoring:薬剤や環境によって変化する病態を反映する
5.Pharmacodynamic:特定の治療に対して変動する薬力学的特性を反映する

好酸球と呼気NO濃度(FeNO)

・喀痰の好酸球数と呼気NO濃度

気道粘膜生検は好酸球性炎症をみるGOLD STANDARDであるが、手技が煩雑で日常臨床には用いられない。
それに変わる指標として喀痰好酸球数が研究施設を中心に用いられてきた。
軽症、中等症、重症になるほど喀痰中好酸球数は増加するが、これも手技が煩雑で喀痰がでない症例や費用の面でも日常臨床への普及は難しい。
そこで現在は、末梢血好酸球数と呼気NO濃度を用いるようになっている。
ある報告では、
喀痰中好酸球>=3%を予測する場合、
 末梢血好酸球数>=270/μL、感度78%、特異度91%、陽性適中率79%、陰性適中率91%
 呼気NO濃度>=42ppb、感度63%、特異度92%、陽性適中率74%、陰性適中率89%
 (参考)血清ペリオスチン>26ng/mL、感度54%、特異度57%、陽性適中率29%、陰性適中率77%
  血清ペリオスチンはIL-13のマーカーのため喀痰好酸球数の予測には向いてないであろう。

・末梢血の好酸球数と呼気NO濃度

末梢血好酸球数単独では喘息診断のマーカーとしてはやや弱い。
呼気NO濃度は喘息とCOPDの鑑別においても有用であり、広く普及している。
メタ解析では、症状管理群と比較して、
 喀痰中好酸球数による喘息管理は増悪が有意に少ない(Thorax2018)
 呼気NO濃度による喘息管理群は増悪が有意に少ない(Thorax2018)
 妊婦において呼気NO濃度による管理は増悪が有意に少ない(Lancet2011)
※ICS投与量、呼吸機能、コントロール状態などの項目では、呼気NOおよび喀痰好酸球による管理群は症状管理群と同等であった。
・喘息コントロール良好例における呼気NO濃度値はFEV1と気道可逆性の予後を反映する。
すなわち、呼気NO>=40ppbの群は呼気NO<40群と比較して、FEV1の経年低下速度が有意に大きい(40以上:-42.7mL/年、40未満:-16.7mL/年)。
呼気NOと末梢血好酸球数の組み合わせが、喘息増悪予測バイオマーカーとして有用である。両者高値群の喘息増悪率は著しく高い。(JACI 132,821-827,2013)
高用量ICS投与中の日本人重症喘息患者において、FeNO 25ppb以上かつ末梢血好酸球数300/μL以上の群では増悪頻度が有意に高い(Soma T, et al. Allergol Int. 67S;S3-S11, 2018)。

血清IgE濃度

・血清IgE濃度は喘息有病率と正の相関を示すので喘息診断のバイオマーカーとして有用である。
一方、増悪頻度の予測は他のバイオマーカー(FeNO、末梢血好酸球数、喀痰好酸球比率)と比較して著しく劣ることから、prognosticマーカーには適していない。

Type2バイオマーカーと生物学的製剤の有効性予測について
抗IgE抗体:オマリズマブ
・IgEを標的とし、遊離IgE濃度は非常に低下するが、血清中のオマリズマブとIgEの複合体はむしろ増加する。
オマリズマブ投与後は末梢血好酸球数とFeNOが僅かであるが低下する。この反応はマスト細胞や好塩基球、樹状細胞を介した間接的な効果と考えられている。
・重症喘息フェノタイプ別のオマリズマブ投与後の変化
重症喘息のフェノタイプは、Early-onset allergic 、Asthma with fixed airflow obstruction、severe eosinophilic、Severe asthma with frequent exacervations、severe steroid-dependent、Severe asthma in obese womenに分けられる。オマリズマブ投与後はFeNOはすべてのフェノタイプで低下するが、末梢血好酸球比率はSevere asthma in obese womenのみ低下しない。
・オマリズマブ投与後の血清IgEと末梢血好酸球数の推移をみた演者らの報告では、オマリズマブ投与中にも関わらず経年的に緩徐に末梢血好酸球数が増加する緩徐増加型症例が約2割存在するという。
緩徐増加型は好酸球制御が不十分であり頻回の喘息増悪を認めることから、ILC2活性が制御できていないType2炎症の制御が困難な症例かもしれない。
・オマリズマブ中止後に増悪する症例の特徴 (JACI ;140:162-9,2017)
オマリズマブを5年間投与し中止後の1年間に増悪する症例の特徴は2つある。
1.オマリズマブ投与中から末梢血好酸球数が高値である症例(末梢血好酸球数>=300/μL)、
2.オマリズマブ中止後にFeNOが上昇する症例(FeNO 25ppb→35)である。

抗IL-5抗体:メポリズマブ、抗IL-5Rα抗体:ベンラリズマブ

・両者の作用機序の違い
メポリズマブはIL-5そのものを中和する。
ベンラリズマブはIL-5受容体を阻害するのに加えてNK細胞のADCC活性による効果があり、強力な好酸球除去作用を示す。好塩基球にも有効とされる。
・ベンラリズマブ投与後の末梢血好酸球と好塩基球の推移
すべての症例で末梢血好酸球はゼロになるが、末梢血好塩基球はゼロになる症例と若干好塩基球が残る症例の2パターンがある。
おそらくADCC活性の強い症例では好塩基球までゼロになるが、残存症例が喘息増悪頻度が高いとは言えない。
スーパーレスポンダーは39%、レスポンダーは47%であるが、
ベンラリズマブ投与中でも15-20%の症例が増悪する。この病態は好酸球がゼロであるから好酸球に依存しない状態、すなわちNon-Type2型と考えて良さそうである。→ 新たな治療戦略が望まれる。
・メポリズマブ投与後の好酸球、好塩基球の推移
メポリズマブ投与中の好酸球と好塩基球は少量残存するが、この事実が臨床的有効性に影響するかどうかは不明である。
ベンラリズマブをメポリズマブへの切り替えにより喘息および併存症の好酸球性副鼻腔炎に有効だった報告がある。
すなわち、末梢血好酸球は少量残存するほうがよい症例もあることを示唆している。この有効性の差は、中和抗体の可能性、resident eosinophils(rEOS)の可能性などが考察されている。
・生体内には2種類の好酸球が存在する rEOSとiEOS
マウスの実験では、免疫調節、恒常性維持に関わるresident EOS(rEOS)と、炎症反応を亢進するinflammatory EOS(iEOS)がある。
iEOSは気管支周囲に存在し喘息などの炎症を惹起し、IL-5依存性がある。核は分葉している。
rEOSは肺実質組織に存在し、免疫抑制に関与し、IL-5依存性はなく、核は環状である。
ヒトにも同様の病態が当てはまるとしたら、ベンラリズマブはrEOSもすべて除去してしまうので、臨床効果に何らかの影響があるかもしれない。
メポリズマブ、ベンラリズマブともに末梢血好酸球数は多いほど有効性が高いが、FeNOには両者とも影響を与えない。

デュピルマブ

・デュピルマブ投与後のType2バイオマーカーの推移
末梢血好酸球は3ヶ月くらいまでに一過性に上昇し、その後低下する。血管内皮のVCAM-1を抑制し組織への好酸球遊走を阻止するためとされる。
呼気NO濃度は有意に低下する。気道上皮の呼気NO合成経路にIL-13が関与しているため、およびステロイド抵抗性が改善しICSの効果回復するためである。
総IgE濃度も大きく低下する。IL-4がB細胞クラススイッチに重要であること、ILC2の作用で産生される大量の低親和性IgEがデュピルマブによって抑制される可能性。

●EL1 欧米と日本の喘息管理における呼気NO測定の位置付けUPDATE

山口大学呼吸器・感染症内科
松永和人先生

2020年喘息ガイドラインアップデートがthe National Asthma Education and Prevention Programaから発表された。
その中には6つのトピックがあるが、今回はFeNO in Asthma Diagnosis and Monitoringの項目を中心に講演された。
・喘息診断においてFeNOはどれくらいの診断制度があるか?
病歴、臨床所見、気道可逆性試験等の検査を実施しても喘息診断が不確かな5歳以上の患者、または肺機能検査が実施できない患者では、FeNO測定の追加を推奨する。
FeNOは気道のIL-13の活性化状態をみている。
日本人の喘息診断における呼気NO濃度はカットオフ値が22ppb。
22ppbでは感度91%、特異度84%、37ppbでは感度52%、特異度99%である。
・FeNO測定値に対する諸因子の影響
吸入ステロイドは確実にFeNO値を下げる。
Atopy/アレルギー性鼻炎は20%くらいFeNO値を上げる。
喫煙は30%くらい呼気NO値を下げる。
その他の留意点として、硝酸塩※を含む食品はFeNOが上昇するため、測定1時間以内の飲食は避ける。
(※筆者注:葉菜類、かぶ、ビーツ及びダイコンなどの野菜に硝酸塩が多く含まれる。また、特に茎及び外葉の部分により多く含まれる。)
ニトログリセリンなどの硝酸薬は代謝後の半減期が短いため測定値に影響ない。
気道内径の狭小化でFeNOは低下するため、測定はスパイロメトリー前に実施する。
日本人の健常成人ではFeNO測定値と年齢、性別、BMIとの関連は認められていない。
・FeNOを指標に用いた抗炎症治療調節は、増悪抑制効果が有意に認められる。
同様の報告では、Type2バイオマーカーを指標にICSのステップアップを行うことは増悪抑制に有意に有用である。(Lancet Respir Med 2020)
血中好酸球数>300/μL and FeNO>50の場合は、ICS投与によりFEV1は顕著に増加し、増悪抑制効果は-65.2%であった。一方血中好酸球数<150 and FeNO< 20の症例ではICSの増量による改善は期待できない。 ・Type2バイオマーカーはステロイド薬減量の指標としてよいか。 症状ベースでICSを減量する群とType2バイオマーカーを指標に減量する群では、症状増悪せずに48週間後に減量維持できたのは症状ガイド群5%、Type2バイオマーカー群30%であった。 一方、FeNO単独で喘息コントロール評価、増悪予測、増悪重症度判定を行うことは推奨されない。 ・演者らの報告では、FeNO>=40ppbの患者集団では経年的な呼吸機能低下が有意に大きい。
・血中好酸球数>=300/μL、かつFeNO>=50ppbならば有意に喘息増悪リスクが高い。
どちらか一方が高いだけでは増悪リスクが高いとは言えない。
・最近の報告では、バイオマーカーを組み合わせても必ずしも気道炎症フェノタイプを予測できない。(JACI pract 2021)

まとめ

FeNOは15ppbを低値(正常値)、35ppbを高値と解釈することを推奨する。
FeNO35ppb以上あれば喘息に特徴的な炎症病態ありと考えて臨床運用する。
吸入ステロイド薬を未使用の患者において、喘息を疑わせる症状に加え、FeNOが22ppb以上ならば喘息の可能性が高く、35ppb以上あればほぼ確実に喘息と診断できる。
また吸入ステロイド使用中の患者では、FeNOが25ppb以上あるときは、喘息の炎症がまだまだ残存していると考えて治療強化を考慮する。

◆シンポジウム13

●S13-2 スキンケアとプロアクティブ療法

防衛医科大学校皮膚科
佐藤貴浩先生

皮膚の角層を拡大するとタイトジャンクションで細胞同士が結合しており深部の水分が体表にもれないようになっている。そして最も外層(皮膚表面)は皮脂でおおわれ、扁平上皮部分は細胞間脂質(セラミド、脂肪酸、コレステロール)、天然保湿因子(アミノ酸など)、が認められ水分保持に働いている。
・角層水分量を規定するもの
1 細胞間脂質:セラミド、コレステロール、脂肪酸
2 天然保湿成分:アミノ酸、尿素、無機塩、乳酸
3 皮脂

スキンケアで問題となるもの

・アトピー性皮膚炎 AD
炎症→バリア機能破綻→かゆみ、が相互に関連している。
ADは痒くて角層を破壊するほか、AD患者ではフィラグリン発現低下、セラミド低下、タイトジャンクション機能低下が認められる。
ADは汗をかきにくい。AD患者の乾燥は汗がでてこない! →汗をうまくかく指導が必要である。
・加齢による発汗低下
加齢による発汗低下は、下肢→体幹後面→体幹全面→上肢→頭部、の順に起こる。
したがってしばしば下腿伸側が乾燥して皮膚炎を惹起する。
高齢者のドライスキンは、発汗量の低下、皮脂の減少、天然保湿成分の減少、角層細胞間脂質の減少、フィラグリンの減少、などが主な原因と言われている。
ただしバリア機能は、角層が厚くなっているので低下していない。

かゆみとは

・掻きたいという欲求をもたらす不快な感覚と定義される。
痛いものに触ると、手を引っ込める。痛いときはじっとしている。モルヒネを使うと痛くない。 ・・・痛みは我慢する感覚
かゆいものがつくと、手を伸ばして振り払う。かゆいときは、引っ掻く。モルヒネを使うと、痒くなる。・・・かゆみは我慢できない感覚
・ぽりぽり引っ掻くと、中脳線条体の快楽中枢ないし報酬系の活動が活発化する。これは掻くと「気持ちいい」というご褒美を与えられるのである。
これは「ご褒美」を与えられるほど必須な動作/感覚であるといえる。
・かゆみのメディエーター
ヒスタミン・・・最も有名であるが、かゆみの原因としてはじんま疹に限られる。
その他のかゆみを引き起こす多くのアレルギー性炎症はヒスタミン非依存性メディエーターである。
最も注目されているのは「IL-31」である。

かゆみ過敏

・アトピー性皮膚炎や肌の乾燥では、かゆみ過敏、という状態が起こる。
原因には2つある。

  1. Hyperknesis(ハイパーネーシス) ; 通常のレベルよりも軽い刺激で痒みが誘発される。
    健康なヒトが感じるヒスタミンによるかゆみと比較して、ADでは非常にかゆいと感じる。
    その理由は十分には解明されていないが、一つの機序として、Th2サイトカインのIL-4や13が神経に作用するとヒスタミンやIL-31に対する反応が過剰となるという(Cell 2017)。
     2. Alloknesis(アロネ−シス);通常は痒みを生じない刺激で痒みが誘発される。
    健常人は掻くと気持ち良い→途中から少し痛くなる→掻くのをやめる。
    ADの患者は掻くと気持ちよい→もっと痒くなる→また掻く→少々の痛みは痒くなるので掻くのが止められない。
    皮膚をほじくるほどかきむしる方がいるが、軽く掻いただけでは余計かゆいので痛いくらいかかないと収まらないのであろう。
    ・”毛羽立った服を着ないように…”と指導するがなぜ毛羽立っているとかゆいのか。
    メルケル細胞の老化による減少とAlloknesisが関与していると言われるようになってきた。
    皮膚に存在するメルケル細胞は触覚刺激に対するかゆみの刺激を抑制する働きがあることが判明。
    老化により減少するとその抑制が効かなくなりかゆみを起こしやすくなるという。
    アセトンやエーテルでドライスキンを誘導してもメルケル細胞は減少することが示された。
    マウスの皮膚にヒスタミンを注射すると30分くらい痒がってとまる。次に細い毛で正常のマウスでは気づかないくらいの刺激を与えると非常に痒がることが判明した。つまり起痒物質によるかゆみは触覚によるかゆみを誘導する。
    最近の研究で、痒み刺激は脊髄にUCN3陽性inter-neuronが介在していることが判明し、そのERK2が活性化されることがAlloknesisに必須であることが示された。

スキンケア

・皮膚を健やかに保つための3つのケアが重要である。
1.汚れを落として清潔に保つ
2.保湿して潤いを保つ
3.紫外線から防御する
・スキンケアの例
毎日の入浴・シャワーにおいて、
 汗や汚れは速やかに落とし、強くこすらない。
 洗浄力のつよい石鹸・シャンプーは避ける。
 石鹸・シャンプーは十分にすすぐ。
 かゆみを感じるほどの高い温度は避ける。
 入浴後のほてりを感じさせる沐浴剤や入浴剤はさける。
 ナイロンタオルや硬めのタオルの使用は控える。
その他に、
 室内を清潔にし適温・適湿を保つ。
 新しい肌着は使用前に水洗いする。
 洗剤は十分にすすぎ落とす。
 爪を短く切り、なるべく掻かないようにする。
 手袋や包帯による保護が有効なことがある。
 新生児・乳児のスキンケアの例について解説された(ここでは省略)。

保湿について

・新生児に保湿すると有意に湿疹病変の発現が低下する。
バリア機能が低下した皮膚に炎症が起こると、Th2型の炎症が起こりやすいことが判明している。
しかもTh2型炎症は皮膚のバリア機能を壊しやすい。→ 如何に炎症を抑制するかが重要である。
・外用計画の立て方 (プロアクティブ療法)
最初にガッツリ治療して抑制し徐々に治療を緩めていくが定期的に塗布して再増悪を起こさせないのがよい。
臨床症状とTARC値を見ながら炎症を抑えていく。・・・Proactive 療法
そうすることにより、症状は有意に改善し、全体のステロイド使用量は変わらず、第2抗原に対するIgE抗体の産生を抑制できる。
プロアクティブ療法はステロイドでもタクロリムスでもよいが、タクロリムスにすると皮膚バリア機能と角層水分を維持する(TEWLが低く抑えられる)ので、ある程度良くなったらタクロリムスが良いかもしれない。
・スキンケアとして用いる保湿剤
①油脂成分で水分蒸散を防ぎ、角層に水分を貯留させる。
オリブ油、ツバキ油、白色ワセリン、プロペト、親水ワセリン、親水軟膏(アズノール軟膏、亜鉛華(単)軟膏)
②水分保持作用のある湿潤剤を油性・水性成分とともに乳化させたもの
ヘパリン類似物質(ヒルドイド®)、尿素(ウレパール®、パスタロン®、ケラチナミン®)
③その他 グリセリン、加水分解コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、セラミド、コレステロール、遊離脂肪酸配合剤
・AD患者角層水分量を保湿剤で比較すると
効果の強さは、ヘパリン類似物質>尿素製剤>=ワセリン と有意にヘパリン類似物質が保湿効果が高かった。
さらにヘパリン類似物質においては、先発品と後発品を比較すると、先発品が有意に保湿力(角層水分量)が高かった(日皮会誌2012)。
同様の他の報告でも1週間以上の使用で、先発品の角層水分量が圧倒的に高かった。→後発品で効果が低い場合には先発品に変更も考慮される。
・市販のスキンケア製品の利用
保湿剤の処方量は保険で決まっているので、不足する場合には市販のスキンケア製品で補うことも有用である。
(筆者注:製品については薬局で相談されるとよいでしょう。)

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