第71回日本アレルギー学会学術大会 聴講録day2 その1

(注意)あくまで私の聴講メモですので記載内容が正確でない可能性があります。責任は負えませんのでご了承ください。

目次

こちらの記事は以下の内容が書かれています。

◆シンポジウム16 慢性咳嗽を考える

◆ミニシンポジウム31

◆シンポジウム16 慢性咳嗽を考える

●S16-1 成人慢性咳嗽の実態

関西医科大学内科学第一講座
石浦嘉久先生

・慢性咳嗽の疫学
一般人口における臨床症状の頻度10%(N=10505)、一般内科における初診受診症状の第1位は咳11.7%(N=15493)。
・慢性咳嗽の問題点
慢性咳嗽の疾病負荷:社会生活、労働生産性、身体的負荷、睡眠障害、抑うつ不安、経済的負担などが挙げられる。
GERDの咳では、演者らがPPIで著明に咳を改善させることを証明した。
PPI用量依存的に咳を軽減させ、GERDは咳に関与するC fiberを直接的に刺激して咳を誘発させる
・慢性咳嗽の全国調査
日本咳嗽学会30施設で集計した結果(N=379)
咳喘息CVA 24%、副鼻腔気管支症候群SBS 9.5%、アトピー咳嗽 AC8.2%、気管支喘息BA 4.5%、GERD2.6%の順におおい。
2種類の合併は27.7%で、CVA+AC、CVA+SBS、CVA+GERDの順におおい。
原因不明とされた慢性咳嗽N=20あり、完全治癒のうち3名は喀痰培養でカンジダが検出されたものがある。(ただし、確定診断とは言えないので原因かどうかは不明。)

慢性咳嗽の今後

p2X3受容体阻害薬 Gefapixantが上市された。
症例)64歳女性:ステロイド全身投与以外のほぼすべての治療薬を実施し咳(VAS70mm)が改善しなかった。Gefapixant投与開始し2週間でVASは20mmまで改善した。
症例)74歳女性:小細胞癌再発の右肺胸水大量の症例では、咳止めでVAS100→70、その後Gefapixant 90mg/日投与し2週間でVAS20mm程度まで改善した。
レントゲンも撮影せずにGefapixantを投与し、神経を刺激するような癌を見逃す等のないように注意が必要である。

●S16-2 成人慢性咳嗽における喉頭アレルギーとその周辺疾患

大阪公立大学大学院耳鼻咽喉病理学
阪本浩一先生

喉頭アレルギーとその周辺疾患

耳鼻科の外来の慢性咳嗽は内科外来でスクリーニングを受けた患者である。
GERDが55%とおおい。
・喉頭アレルギー
喉頭におけるI型アレルギーの慢性期である。
・耳鼻科の慢性咳嗽原因疾患
通年性喉頭アレルギー・後鼻漏症候群
・喉頭アレルギーの診断
喉頭アレルギーの診断は、咳慢性嗽と咽喉頭異常感のいずれか、もしくは両方を訴え、アトピー素因が確認された例。
喉頭の器質的疾患、下気道疾患、胃食道逆流(GERD)後鼻漏症候群を除外すること、
治療的診断としてヒスタミンH1 拮抗薬が著効する。
診断に際して、喉頭アレルギー 診断基準(2011 年版)にて季節性喉頭アレルギー、通年性喉頭アレルギーに分けて提唱されている。

・通年性喉頭アレルギーのきびしい診断基準(2011)

  1. 喘鳴を伴わない8 週間以上持続する乾性咳嗽
  2. 8 週間以上持続する咽喉頭異常感(痰のからんだような感じ、掻痒感、イガイガ感、チクチクした咽頭痛など)
  3. アトピー素因を示唆する所見を1つ以上認める
  4. 急性感染性喉頭炎、非特異的喉頭感染症(結核、梅毒、ジフテリアなど)、喉頭真菌症、異物、腫瘍などその他の咳や異常感の原因となる局所所見がないこと(典型所見としては披裂部蒼浮腫状腫脹を認める)
  5. 胸部 X 線撮影、肺機能検査が正常
  6. 胃食道逆流症、後鼻漏が想定されない
  7. 症状がヒスタミンH1 拮抗薬で著明改善※もしくは消失する
    追加事項:上記の内、1が欠落した場合には、5は満たさなくてもよい
    注※ : 著明改善とは自覚症状の75%以上、消失は100%改善とする

・RAST陽性患者の症状

咳4割、咳と咽頭異常感3割、咽頭異常感3割
しかし鼻汁好酸球が陽性は3割程度である。
・喉頭アレルギーの診断となる患者は、厳しい基準で22%、あまい基準で62%となる。

・喉頭アレルギーの治療

点鼻ステロイドは非常に有効かつ重要
・上咽頭炎の評価 特に慢性上咽頭炎・・・耳鼻科内でもまだまだ認知が少ない
咽頭異常感・慢性咳嗽の原因として後鼻漏・逆流性食道炎・喉頭アレルギーなどが挙げられる。また近年は慢性上咽頭炎の存在も注目されている。
上咽頭炎は様々な症状を呈する。
直接症状:咽頭違和感・後鼻漏・咳・肩こり頭痛
自律神経の影響:集中力の低下・慢性疲労・機能性胃腸炎
免疫を介在したもの: IgA 腎症・掌蹠膿疱症
治療として、上咽頭擦過療法 EATの有効性が報告されている。
※上咽頭を綿棒で擦過すると出血する!

・重症スギ花粉症

スギのRASTクラス3以上にオマリズマブは適応である。
オマリズマブ投与後3週間以内で症状が非常に改善する。
鼻汁はほぼ2週間でよくなる。
咽喉頭異常感とくしゃみは徐々によくなる症例が多い。

Q and A

Q 喉頭アレルギーとアレルギー性鼻炎の鑑別は?
喉頭アレルギー 咽喉頭異常感が主体
アレルギー性鼻炎 鼻汁と咳
究極は局所をカメラで見ないと鑑別できない

●SY16-3 喘息性咳嗽診療のポイント

近畿大学呼吸器・アレルギー内科
松本久子先生

・咳嗽・喀痰ガイドライン2019をまず提示された。
・咳喘息
気管支拡張薬が30%以上咳を改善=有効 の咳の患者 →咳喘息
もう一つ重要なポイント 夜間の咳嗽。日中の咳嗽は咳喘息以外と有意差なし。
・喘息性の咳嗽
夜間の咳嗽は気道平滑筋に由来(純粋な喘息性咳嗽)・・・重要
日中主体の咳嗽は咳感受性亢進を合併(カプサイシン咳感受性亢進)している。
・成人重症喘息における咳喘息コントロール不良と関連するが、 好酸球性気道炎症との関係は乏しい。
軽症・中等症喘息例では、2 型マーカーと咳頻度の関連はない。
重症喘息例のうち、T2Lowは咳頻度が少ない。
・抗IL-5抗体が著効した難治性咳優位型喘息の症例提示
50 歳台後半女性
受診の半年前から再燃、咳嗽で毎晩眠れない状態。労作時の息苦しさもあり。
近医でICS+LABA投与されるが効果乏しく、紹介受診。
・27 年前転居、隣がクリーニング店で石油系の臭いが強く、毎日定刻に臭いがあがってくる。
《治療推移》
SFC500×2, LTRA, PPI, LAMAmist(有効)で改善したが、すっきりせず。ACT <20。
→メポリズマブで効果不十分→ベンラリブマブに変更し著効、ACT24。
夜間の咳が持続しQOL低下症例では抗体製剤も考慮してよいであろう。

・経口ステロイド (OCS) を要する喘息例ではカプサイシン咳感受性が亢進している例がある。
・咳嗽頻度は重症例で有意に多いがクエン酸咳感受性は同等である。
喘息性咳嗽例でのtiotropiumによる鎮咳効果はカプサイシン咳閾値改善と相関する。
(咳VASが15mm以上改善を有意に改善とする場合)
Thermoplasty後に咳閾値も改善する症例があり、このような症例はLAMA投与が治療選択肢に入る。

・系統的なアプローチによる診断(LANCETの図を提示)は重要だが、
単一の疾患というより重複がおおいことが知られている。
それぞれの特異的治療を行っても咳が改善しない症例が存在し、こういった咳のしやすい患者を
近年、咳過敏症症候群、とよぶことが提唱されてきた。
低レベルの温度、機械的、化学的刺激を契機に生じる難治性の咳嗽で特徴付けられる。
各原因疾患はフェノタイプに位置づけられる。
・咳過敏症症候群の症状の特徴
喉頭違和感、乾燥した空気、会話、臥位 で生じる咳
・Gefapixant(リフヌア®)の有効な咳
日中の咳、喉払い、会話・歌時、起床時、喉のイガイガ・異物感、 臥位・前屈時
・咳の病態について
中枢神経と末梢神経の図を提示して説明された。(CHEST2017;152:833)
・リフヌアの作用機序などについて最後まとめられた。
Gefapixantは非特異的な鎮咳薬として用いる前に、原疾患の検索・治療を十分行う

Q and A

Q リフヌアは非特異的に咳をとめるので、まず原疾患の診断をすべきということでよいですか
A そのとおりである。
 味蕾のレセプターもブロックするので味覚障害も生じやすい。

●SY16-4 小児慢性咳嗽のピットフォール

東海大学医学部附属病院八王子病院小児科
望月博之先生

・小児の咳嗽診療ガイドライン
日本は2020に刊行、欧米のガイドラインも2020年に刊行されたが、海外と日本の咳の原因が違うので注意すべきである。
・演者らは咳モニターVitaloJAK という機器を開発し各疾患の咳を観察している。
咳嗽単位、咳嗽リズム、咳嗽回数/パターンの3つの解析が可能である。
LEO Soundというモニターもある。
・咳カウンターによる解析
喘息では夜間の咳嗽が多いことが改めて証明された。重症の患者は夜間に平均381回咳をしている。
夜間8時間の記録では、寝入りの1時間以内が咳が多く、明け方に多い。
喘息と急性細気管支炎の咳の多い時間帯はまるで逆のパターンである!
急性細気管支炎の咳は深夜が多い。

・小児慢性咳嗽の原因疾患
圧倒的に喘息が多い(約5割)。かつアトピーの家族歴がある。
喘息と非喘息を明確にすべきである。

非喘息児を喘息児と誤診する可能性
・小児気管支喘息治療・管理ガイライン2020に沿って喘息治療すれば95%はよくなる。
残り5%の場合、増悪因子の評価が重要である。
例えば親の喫煙があれば当然よくならない。
・増悪因子の管理をしても治療効果が得られない場合、他の病気の可能性がある。
びまん性汎細気管支炎・・・小児例の報告が最近増えている。
閉塞性細気管支炎・・・血液疾患に合併した小児症例を提示された。
嚢胞性線維症(cysticfibrosis)・・・かつて日本人にはいないと考えられていたが最近小児の報告例がある。
遷延性細菌性気管支炎 (protracted bacterial bronchitis; PBB)・・・小児慢性咳嗽の重要な原因疾患であるであるが、日本の実態は不明。

咳モニターによる小児慢性咳嗽の鑑別

・百日咳
一般的な咳のリズムは、咳をすると1、2回であるが、
百日咳の咳のリズムは、連続数回の咳のあとフーとなる。 また寝ているとき、夜間Burstと呼ばれる咳の連続があり、その後しばらく不応期(=咳がほとんどなし)があり再びBurstを起こす。不定期である。
・心因性咳嗽
日中どんなに咳をしていても、寝るとほぼ咳はでなくなる。もし夜間にトイレにおきるとしばらく咳がでるが、再び寝入ると咳はなくなる。
・GERD
咳モニターとpHモニタリングで観察した症例では、ミルクを与えてのち食道内のPHが下がると咳がでていたのでGERDの咳と考えられた。
小児喘息児において後鼻漏が多いほうが咳がおおい。
・たばことエアコン
特に重要な咳の誘引である。
タバコを吸っていると申告する親は比較的すくない!

小児における肺音解析の臨床応用

・電子聴診器で記録した肺音の解析では可聴性・非可聴性肺音の解析が可能である。
乳幼児喘息の診断は、喘鳴の確認が重要であり、以下の2項目を満たす。
①呼気性喘鳴を3エピソード以上繰り返す。
②β2 刺激薬吸入後に改善が認められる。
母親は鼻汁音も喘鳴ということがあるが、喘鳴かどうか鑑別が可能。
電子聴診器を用いれば、喘鳴を聴取し、ベータ吸入後に消失することが可視化できる。
・喘鳴のない乳幼児の非可聴性 Wheeze 様雑音の検討
健診で受診した389名中、電子聴診器でサインウェーブ(喘鳴)を認めたのは13例だけ。
そのうち10名は1週間以内に風邪ひきだった! 3名は風邪を引いていなかった。
風邪のない健康児で喘鳴を聴取したらおそらく喘息であろう。

◆ミニシンポジウム31

●MS31-1 歯根管治療後に皮疹を生じたホルマリンを原因とするI型アレルギーの3症例

帝京大学ちば総合医療センター第三内科
山口正雄先生

緒言:ホルマリンアレルギーは極めて稀というわけではなく、歯の根管治療の数時間後に発症する例が多いことが知られている(アレルギー56:1397,2007.)が、局所麻酔薬アレルギーと診断されている例も多いと推定されている。
ホルマリン特異的 IgE 抗体が診断に有用。即時型皮膚反応は陽性率が一定せ ず、両者の検査間で有用性評価が乖離している。
ホルマリン処理したアルブミンを用いて好塩基球ヒスタミン遊離が報告されている。(NabeshimaY, TanakaT, HideM. ActaDermVenereol 84:497,2004.)
症例 70歳女性
リドカイン局所麻酔下で抜髄後、パラホルムアルデヒド (ペリオドン®)、水酸化カルシウム製剤で根管治療を受けた。1 時間半後に全身に蕁麻疹が出現し、抗ヒスタミン薬を処方され約 3 時間で蕁麻疹は改善した。
IgE767IU/mL、 特異的 IgE ダニ34.0U/mL、ホルマリン>100UA/mL
BAT:受身感作好塩基球を用いたヒスタミン遊離試験。健常人の好塩基球を患者血清で受身感作して実験に用いた。好塩基球を受身感作する際に、患者血清とオマリズマブ を添加した患者血清とを用いてIgEの関与を調べた。
刺激に用いた試薬:ホルマリン液、ホルマリンとアルブミンを混合して1 週間冷蔵保管した液、ホルマリンとグロブリンを混合して1 週間冷蔵保管した液
本症例のまとめ
・パラホルムアルデヒドを用いた歯の根管治療から1 時間半経過後に蕁麻疹を生じた。
・ホルマリンとアルブミンを混合して1 週間保管した液だけ好塩基球ヒスタミン遊離を起こした。過去の解析と同様の結果。
・ホルマリンとグロブリンを混合した液ではヒスタミン遊離 は起きなかった。
・オマリズマブが感作を阻止したことから、IgE 依存性の反応
と確認できた。
演者らはホルマリン特異的IgEはホルマリンを認識しているのではない、と考えている。

考察

IgE 依存性のホルマリンアレルギー症例の多くは、歯の根管治療の1 ~数時間後に皮膚症状やアナフィラキシーを生じる臨床的特徴があ る。
従来の考え方では、ホルマリンの血中濃度が高まってアレルギー症状を生じる、ホルマリンはハプテンとして働くと推測されてきた。
しかし、演者らの実験結果からは、ホルマリンは細胞を活性化しない。
ホルマリンはIgEに対して特異的結合をしておらず、ハプテンとして働いていない。
真のアレルゲンは、ホルマリンで変性したアルブミンと推測する。
根管局所で高濃度のホルマリンが時間をかけてアルブミンを変性さ せ、変性アルブミンが局所を離れて拡散し、特異的 IgEを介して好塩基球やマスト細胞を活性化させることが発症機序であろう。感作は 過去の根管治療で生じたと推測される。

Q and A

Q 一般的に薬剤投与後15分程度観察するが、歯科治療後は変性したアルブミンが抗原となるともっと観察時間が必要か
A そのとおりであるが、実地臨床では長時間の観察や毎回の注意喚起はむずかしいかもしれない
Q ホルマリンの特異的IgEを検査しても陰性だが、ホルマリンのRASTは意味がないのか?真のホルマリンアレルギーはあるのか。
A ホルマリンHCHOの分子量は30しかないので、IgEの中に入り込むことはできても結合あるいはIgE架橋を起こせないと思われる。
ホルマリンがハプテンになるのなら、アルブミンでもグロブリンでもよい。今回はアルブミンに限定された反応なので変性アルブミンによる反応と考えられる。ホルマリンIgE陰性でも、グロブリンが関与している例があると思われる。
Q ホルマリンアレルギーになりやすい人はあるか
A はっきりとした報告はない。繰り返し歯根治療している患者はなりやすいかもしれない。

●MS31-3 薬物負荷試験で診断した即時型メチルプレドニゾロン過敏症

浜松医科大学小児科
加藤由紀子先生

15歳男子、高安動脈炎に対する治療としてmPSLパルス療法実施され過敏症を生じた症例の報告である。
mPSLパルス開始後10分で全身に膨疹、掻痒感、38 度の発熱も出現した。
→投与停止し30 分程度で消退、60 分程度で解熱
クロルフェニラミン投与後 60 分で再投与→症状誘発なし
mPSLの皮内検査では患者と健常者も陽性となったので陰性と判定し、翌日再投与したところ症状が再現された。
→即時型ソル・メドロール過敏症と診断。
考察:ステロイド過敏症について
ステロイド過敏症疑いの64 人(うちmPSL17 人)をIDT(皮内テスト)や DPT(負荷試験)で精査した報告では9 人陽性(14%)。
うち添加物に対する過敏症 5 人、CMC (カルボキシメチルセルロース)2 人、、PEG (ポリエチレングリコール)3 人、トリアムシノロンの過敏症 4 人(関節内注射、局部注射など)
mPSLの即時型過敏症の鑑別として、mPSL過敏症、コハク酸エステル過敏症、があげれらる。PEG、CMCは含まれていない。
コハク酸エステル型ステロイドは血清蛋白と結合しやすい構造をもつハプテンとしてはたらき、即時型過敏症症状を引き起こすという仮説がある。
→コハク酸エステルはステロイドに対する過敏性を高めるだけなのではないか、と考察されている(JACI In Practice:2018:7:342-343)
本症例はコハク酸エステル過敏症の可能性がのこるので、確定診断には他の薬剤でDPTを実施する必要がある。

Q and A

Q 2クール目を投与されたようだが、減薬など考慮されたか?
A 2クール目までの時間が短かったことと、結果が陰性であったこともあり高安病の治療が優先されるとして実施した。
Q mPSLのパルスの合間は内服か?
A そのようにしている。しかしクローン病の場合だったら、内服は躊躇されるかも。
Q 今後のステロイドはどうするか
A 3回が標準だができていない。mabのほうが本症例ではよいかもしれない。

●MS31-5 漢方薬による薬剤性間質性肺炎の臨床放射線学的検討

東邦大学呼吸器内科学分野
関谷宗之先生

32例の漢方薬によるDILDを解析した報告。
小柴胡湯によるものが多かった。CT画像パターンによる重症度の差はなく、AIP like patternは13%に認めたが全例で回復し予後は良好であった。

●MS31-6 単純ヘルペスと鑑別を要したアリルイソプロピルアセチル尿素による固定薬疹の1例

群馬大学皮膚科
上原顕仁先生

数年来生理の際に上口唇と下顎に水疱様皮疹、手首、左手掌にも皮疹が出現していた。1ヶ月程度で治癒することを繰り返すため演者を受診した。
趾間に淡紅褐色の紅斑を認めた。
生理の都度、イヴA®を服用していることが判明。イヴA®パッチテスト48時間後判定で陽性。イヴAによる固定薬疹と診断。
アリルイソプロピルアセチル尿素は単独では使用されず、鎮痛補助剤としてNSAIDSと併用される。
医療用薬品ではSG配合顆粒のみに配合されているが、一般医薬品には多数配合あり。
固定薬疹の原因として非常に多く報告されている。
本邦における報告(N=52)では、本症例のように単純疱疹として治療されていたケースは9例(17%)で認め、口唇に水疱形成は11例(21%)であった。

コメントは停止中です。