第64回日本呼吸器学会学術講演会聴講録 その3

(注意)あくまで私の聴講メモですので記載内容が正確でない可能性があります。責任は負えませんのでご了承ください。

◆シンポジウム4 びまん性肺疾患 治療のトピックス

目次

こちらの記事は以下の内容が書かれています。

●粘膜免疫システムを基盤とした有効で安全・安心なワクチン研究開発

金沢大学千葉大学未来医療教育研究機構・未来粘膜ワクチン研究開発シナジー拠点(cSIMVa) カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医学部内科学講座・CU-UCSDcMAV
清野 宏先生

現在新規ワクチン創出と導出を目指して東京大学をフラッグシップ拠点として北海道大学、千葉大学、大阪大学、長崎大学が共同研究を進めている。千葉大学は粘膜免疫と粘膜ワクチン創出・導出を目指して開発を行っている。
COVID-19パンデミックから学んだ粘膜免疫の重要性
 新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンという全身免疫誘導できる革新的なワクチンが導出された。このワクチンにより確実にウイルスを中和できる血清IgG抗体が産生され、科学的なエビデンスから重症化阻止につながったことが判明した。
一方で感染は防御できていない。 SARS-COV-2ウイルスは呼吸器粘膜を介して侵入してくるが、注射によるワクチン接種は確実に体内に免疫を誘導するが、病原体の侵入してくる粘膜面には効果的な免疫応答が誘導できない。
侵入口である粘膜に抗体を誘導すれば感染を阻止できるのではないか?
そうすれば確実に外に向いている臓器(口腔、鼻咽頭、呼吸器、消化器、泌尿生殖器)には粘膜免疫システムが備わっているので、これを作動させれば病原体の侵入を阻止できるはずである。

・なぜ経鼻ワクチンなのか

経鼻ワクチンは粘膜面に免疫応答を誘導できる。分泌型IgA抗体が鼻の分泌液や肺の分泌液に誘導できることによって感染・伝搬阻止効果が期待できる。さらに注射型と同様に全身にIgG抗体も誘導でき、重症化予防も期待できる。私達が本来持っている2段構えの予防効果を期待できるということである。
投与方法は経鼻スプレーデバイスを用いるので注射と違って痛みや不安がないというメリットもある。

・なぜ今まで粘膜ワクチンはなかったのか

粘膜面は独特なバリア機能と自然免疫・獲得免疫機構がある。
粘膜繊毛クリアランス・・・粘液が10−15分おきに入れ替わっている。繊毛運動で異物を排除する。
タイトジャンクション
粘膜粘液中には種々の酵素がある・・・殺菌のほか、投与したワクチンを分解してしまう。(proteases,aminopeptidasesなど)
効果的なワクチン送達手段を開発する必要性があった。
演者らのチームはカチオン化ナノゲル(cCHPナノゲル)を開発した。これにより粘膜面に持続して付着し抗原を徐放的に効率よく粘膜免疫系に送達することを可能にした。

演者らは肺炎球菌抗原のPspAを封入したカチオン化ナノゲルをマウス経鼻投与したところ、PspA特異的な抗体が血清中IgG、鼻腔洗浄液中IgAとして検出され、免疫誘導が確認された。
さらに肺炎球菌を感染させたところ、コントロールのマウスはすべて肺炎となり死亡したが、免疫誘導したマウスは全例で生存した。
→ カチオン化ナノゲルデリバリーシステムを基盤とした肺炎球菌経鼻ワクチンは肺炎球菌感染を防御する。

・カニクイザルを使って非ヒト霊長類における経鼻免疫試験を実施した。
ヒトに投与するためのデバイス開発も同時に共同開発企業で進めた。

経鼻免疫を2週間おき計5回投与、16週後に追加免疫した。その結果、投与群では期待通りの抗体価上昇を認めた。さらに肺炎球菌気道感染試験を実施したところ、コントロール群は肺炎を発症したが、経鼻免疫群は肺炎は発症しないか、発症しても軽症であった。

RSVワクチン

Respiratorysyncytialvirus (RSウイルス)
 乳幼児および小児における下気道感染症および入院の最も一般的な原因ウイルスである。
 高齢者やハイリスク集団における入院とそれに伴う死亡の主な原因にもなっている。
*筆者補足)ウイルス表面にはG蛋白(気道に接着するために必要)、F蛋白(細胞内に侵入するために必要)、SH蛋白(抗体依存性の細胞障害活性ADCCを介して感染防御に寄与する)がある。
現行のワクチンは注射型であるので、感染阻止・伝搬阻止はできない。
演者らはRSウイルス経鼻ワクチン開発をすすめている。
現在すでに上市・開発中のワクチンは中和活性を誘導することであり、その標的分子はRSウイルス表面のF蛋白である。
一方で細胞性免疫も重要であることから、演者らは細胞性免疫を誘導できるワクチンの開発を目指している。
SH蛋白は先行研究でウイルス中和活性は持たないが、ADCCを強く誘導することが知られていたことから、SHとPspAを結合させたキメラ型抗原;SHe-PspAを作成しカチオン化ナノゲル内に封入して、さらにアジュバントあるなしで検討した。

その結果、SHe特異的抗体価が血清中IgG、鼻腔洗浄液中IgAともに誘導され、アジュバントありで更に増強された。SHe特異的GZMBやINFγを産生する細胞も確実に誘導されていることを証明した。
次に経鼻免疫マウスにおけるRSウイルス感染試験を実施。肺と鼻腔組織ににRSウイルスを感染させ、経鼻免疫と注射免疫を比較したところ、肺では両者ともにウイルスは増殖 を抑制したが、鼻腔では経鼻免疫のみウイルスを抑制した。
鼻腔に関しては経鼻ワクチンのみ確実にウイルス感染を阻止できることが判明した。
さらにFcγRノックアウトマウスを用いた実験では、肺組織におけるウイルス量を制御できなかったことから、SHe 特異的 IgGは抗体依存性細胞傷害を介してRSVを排除する、と証明された。
演者らはさらに、カチオン化ナノゲル型 RSウイルス経鼻ワクチンの安全性検証を実施した。
VED: Vaccine associated enhanced disease (ワクチン関連疾患増悪) (RSV 感染後のワクチン誘導性アレルギー性気道炎症)誘導の有無を検討し、Th2サイトカインの誘導(肺)、肺洗浄液中の好酸球、肺組織における好酸球浸潤、のいずれも誘導されないことを証明し、VEDは発生しないことを報告した。→安全性も高い!


*筆者補足)グランザイムBは、NK細胞と細胞傷害性T細胞の顆粒に最も一般的に存在するセリンプロテアーゼである。グランザイムBはこれらの細胞からポア形成タンパク質パーフォリンとともに分泌され、標的細胞のアポトーシスを媒介する。IFN-γは自然免疫応答の一部として主にNK細胞とNKT細胞によって産生され、抗原特異的免疫の誘導後はCD4+Th1細胞、CD8+細胞傷害性T細胞(CTL)エフェクターT細胞によって産生される(ウィキペディアより引用)
筆者補足2)抗体依存性細胞傷害(ADCC):antibody dependent cellular cytotoxicity. 細胞や病原体に抗体が結合すると,その抗体のFc領域を認識するFc受容体を持ったマクロファージやNK細胞などの免疫細胞が呼び寄せられ,抗体が結合している細胞や病原体を死滅させる。

演者らは現在季節性インフルエンザ、COVID−19、中耳炎/COPDについても実用化にむけて同様の研究を行っている。また、米(コメ)型の経口ワクチンも開発中である、消化管感染症、可能なら呼吸器感染症にも有効なワクチンの開発を念頭に奮闘中である。

Q and A

Q なぜ粘膜免疫はIgAが強く誘導されて、経皮や経筋肉注射では誘導されないのか。
A 呼吸器も消化器も同様であるが粘膜面には「粘膜関連リンパ組織」が存在するが、それは輸出リンパ管はあるが、輸入リンパ管は存在しない。したがって抗原は粘膜面からしか侵入できない。なので粘膜面局所でしか積極的にIgA産生するB細胞は誘導されない。ゆえに経粘膜投与が重要である。
いくら注射で投与しても輸入リンパ管が存在しないので、抗原は到達しない。当然抗原特異的な免疫応答は誘導できないのである。

共同企画10 (日本臨床内科医会)

●呼吸器感染症に対する新規ワクチンへの期待ーワクチン接種向上の取り組みー

宮崎大学呼吸器・膠原病・感染症・脳神経内化学分野
宮崎 泰可先生

RSウイルスは乳幼児期だけでなく、高齢者においても 入院や予後不良などにより疾病負担が大きい感染症であり、生涯を通じて繰り返し感染する。
2 歳までにほぼ100%がRSVに感染する。
自然感染後の免疫応答は不完全であり、RSVの再感染は生涯を通じて起こる。
小学生から成人期はただの風邪で終わるが、高齢者RSV感染で重症化するリスクがある。
高齢者におけるインフルエンザ様症状疾患の原因はインフルエンザウイルスが第1位、2位がライノウイルス、3位がRSVであり全体の約 10%である。
演者らの研究では、市中肺炎の検出微生物は、細菌では肺炎球菌が44%、インフルエンザ菌24%、黄色ブドウ球菌11%、クレブシエラ9%であった。ウイルスはライノウイルス(Rhinovirus)43 %、ヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus)18%、インフルエンザA14%、RSV10%であった。

RSV感染症は、潜伏期間が4~5 日、罹患期間(上気道・下気道)が6~8 日と、回復に時間を要する。
7割が上気道炎のみで治癒するが、3割が下気道炎を発症し回復までに時間がかかる。
インフルエンザウイルス感染症と比較すると潜伏期が長く発症は緩やかであるが、下気道炎を発症すると治癒に日にちがかかる。

・成人におけるRSV 感染症 vsインフルエンザの比較 (フランス2017-2019)

RSVの方が、合併症の頻度が高い。呼吸不全(31%vs16%)、急性心不全(15% vs 8%)、ARDS(9% vs 7%)
RSVの方が、入院期間、ICU 入室、人工呼吸器管理の率が高い。
(Descamps A, et al. Eur Respir J 2022)
*筆者補足)ARDSとは、基礎疾患に伴って活性化した好中球(白血球の一種)から細胞や組織を傷つける活性酸素や蛋白分解酵素が放出され、肺胞や毛細血管の細胞がダメージを受けた結果、血液中の水分や蛋白がにじみ出て、肺胞にひどい浮腫を起こします。(日本呼吸器学会HPより改変引用)

・成人におけるRSウイルス感染症の重症化リスク

60歳以上の高齢者、基礎疾患、免疫機能低下状態がハイリスク群である。
健常人と基礎疾患を有する患者でのRSV感染症による年間入院率比を算出した報告では、
喘息 2−3.6、COPD 3.2−13.4、糖尿病 2.4−11.4、冠動脈疾患3.7ー7.0、うっ血性心不全 4.0ー33.2
であった。

・COPDに対するワクチン接種のエビデンスレベル

アメリカCDCでは、インフルエンザウイルス、COVID−19、肺炎球菌、百日咳、帯状疱疹、すべてエビデンスBでワクチン接種推奨しているが、RSVワクチンは唯一エビデンスAで推奨されている。
・RSウイルスのウイルス学的特徴
ニューモウイルス科の一本鎖マイナス鎖RNAウイルス
RSウイルスにはAとBの2つのサブタイプがある。
細胞表面にF蛋白(表面融合タンパク質)、G蛋白(付着糖タンパク質)がある。
F蛋白はウイルス侵入に不可欠である。G蛋白は気道の線毛細胞が標的である。
サブグループ間における抗原性の違いの多くは、Gタンパク質の変異が原因である。

・組み換えRSVワクチン

現在2種類発売されている。アレックスビー®とアブリスボ®である。
アレックスビー:一価ワクチン、アジュバントあり
アブリスボ:二価ワクチン、アジュバントなし
*筆者補足)アジュバント(Adjuvant)とは、ワクチンと一緒に投与して、その効果(免疫原性)を高めるために使用される物質のこと。抗原の一部の成分を精製して接種するワクチンは一般的に効き目が弱いのでアジュバントの添加が必要である。
アレックスビー®
RSV関連下気道感染症の発症に対するアレックスビーの有効性について、現在2シーズン観察終了している。
17.8ヶ月時点での結果であるが、1 回接種群では感染症全体では 67.2%低下させ、 重症感染症を 78.8%低下させた。再接種群全体 67.1% 重症 78.8%それぞれ低下させた。1回接種も2回接種も効果は同等であり、安全性も同等であった。
アブリスボ®
妊婦への能動免疫により新生児及び乳児のRSV下気道疾患を予防(母子免疫)
60 歳以上のRSV 感染症予防 にも適応追加(2024 年 3 月 26 日)された。
2つ以上の症状の発現を呈する患者の割合が、66.7%減少し、3つ以上症状が出た患者の割合は85.7%減少させた。
局所反応:疼痛、発赤、腫脹、全身反応:倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの割合はプラセボと比較し同等であった。・・・安全性は高い
60歳以上の100万人にRSVワクチンを接種すると、アレックスビーもアブリスボも2万人以上の外来受診患者を減らし、2000人以上の入院を抑制し、ICU入室も500人程度低下させ、院内死亡は120人から140人低下させるとしている。(ACIP, Feb 29, 2024)
100万で5例程度のギラン・バレー症候群が副作用として発症する。

RSV感染症は冬に流行するが、COVID−19流行時は夏に流行ったが、現在冬に流行のパターンに変化してきた。

まとめ

RSV 感染症とRSVワクチン一現状と課題一
1.乳幼児だけでなく、高齢者における疾病負担も大きい感染症である。
(基礎疾患の増悪や合併症を含め、インフルエンザと同レベル かそれ以上の疾病負担)
2.ワクチン対象者の選別:60 歳以上全員ではなく、重症化リスク因子:高齢、慢性心肺疾患、糖尿病、CKD、免疫不全、呼吸器疾患(喘息・COPD)を有する患者に接種すべきである。
4.RSV検査がまた普及していないので実感がわかないのであろう。高齢者・ハイリスク患者におけるデータも国内データは不足しているのでエビデンスを確立していく必要がある。
5.ワクチンの有効性評価(e.g .COPDなどの基礎疾患の増悪予防効果があるのかどうか)も必要である。
6.2種類のワクチンの接種タイミング、使い分け、費用も高価なので今後自治体の補助も検討していきたい。
*筆者補足)疾病負担(DiseaseBurden)とはある地域・集団における健康(障害)による影響を、財政コスト、死亡数、罹患数等の指標で表したもの

●教育講演4 成人に対する肺炎球菌ワクチンの使い分け

琉球大学大学院医学研究科 感染症・呼吸器・消化器内科学講座
山本 和子先生

市中肺炎の原因菌の最多は肺炎球菌であり、20-30%である。
コロナ蔓延に時期にも最多の起炎菌は肺炎球菌であり、インフルエンザウイルス感染症は肺炎球菌性肺炎と密接に関連しているとされる。
ワクチンが上市されたRSウイルスにおいても最も重複感染する起炎菌は肺炎球菌である。ヒトメタニューモウイルス感染症においても同様である。

肺炎球菌感染症の病態

肺炎球菌は小児の鼻腔に保菌・定着しており、高齢者では口腔内に多いことが判明している。
感染の原因として最も多いとされるのがmicroaspirationである。菌血症や髄膜炎を発症する侵襲性肺炎球菌感染症IPDでは特に高齢者で特に予後不良であり死亡率は15-20%ある。
肺炎球菌感染症の疫学は小児期と高齢者の二峰性であるであるが、IPDの致死率も小児と高齢者の二峰性である。

COVID-19流行期に肺炎球菌感染症を始め様々な呼吸器感染症の罹患率が低下した。
マスクを着用することで飛沫感染を予防したことが要因として挙げられる。

成人のIPDの原因血清型(日本)が変化している。

その背景には小児に適応となったPCV=キャリア蛋白ワクチン の血清型による置換である。
現在小児は13価の肺炎球菌ワクチンであるが、それ以外の原因菌が増加している。すなわち血清型12はワクチンに入っていないが、増加している。
全くワクチンに入っていないタイプが多数増加している。PCV13によるIPD起炎菌のカバー率は26%、PPSV23においても47%のカバー率に過ぎない。
一方で3型はどのワクチンにも入っているのに最多の原因である。

血清型3はIPD死亡リスクが高い。

非常に重症な肺炎や菌血症を起こしやすい。
演者らの施設では、他の血清型の2.54倍の院内死亡率であったという。

血清型3の免疫学的特徴として、NF-kB経路ではなく、 NLRP3インフラマソームを活性化しそれを介してINF-γが非常に産生されて、マクロファージの細胞死を誘導することが判明した。重症感染症を起こしている

血清型12FによるIPDの特徴

12Fは若年、ワクチン接種歴がなく、女性も、背景疾患や免疫不全なくても突然菌血症で発症する。 肺炎を伴わないこともある。75株を全ゲノム解析した報告では、ほとんどがPC-JP12Fという特徴的な遺伝子型を持っていることが判明した。おそらく関東から全国にひろまったと考えられる。
肺炎球菌は血清型ごとにPhase valiationがあり、莢膜の厚さをかえていくという特徴がある。とくに莢膜が厚いタイプ(Opaque型)でIPDを起こしやすい。

成人に対する肺炎球菌ワクチンの考え方

最近肺炎球菌ワクチンの定期接種の変更があった。高齢者は初めての65歳のものか、60歳から65歳未満の慢性高度心・腎・呼吸器機能不全者等となった。
後者は身体障害者手帳を持っているものと考えてよい。
現在日本で接種可能なワクチンは13価肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー®)、沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(バクニュバンス®)、23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®)がある。
ワクチンの効果はどうやって評価するか。
オプソニン活性を評価する。ワクチンを接種すると莢膜の血清型に対する抗体が産生されるが、その抗体が肺炎球菌に結合してその後好中球などの貪食細胞に貪食されるかどうかを見たものである。抗体は産生されても貪食を誘導しないもの(役立たず)がある。
演者らはPPSV23を接種済みにもかかわらず血清型12FによるIPD発症例を経験され、IgG抗体は閾値を超えて産生されていたが、オプソニン化は全くしなかったという。PPSV23は5年毎に接種がのぞましく、5年後に効果が低下しても再接種で再び効力を有する。
PCV13とPPSV23のどちらを先に接種したほうがよいのか検討した報告がある。
結果はPCV13(キャリア蛋白ワクチン)を先行するほうがブースター効果でPPSV23接種後の抗体価がより高かった。
しかし連続で接種する場合、1年以内で接種すると副反応(接種部位の発赤と疼痛)が強くでることがあるので、1年以上あけることを推奨する。

韓国からの報告であるが、PCV13→PPSV23連続接種群、PCV13単独群、PPSV23単独群の3群を比較したところ、ワクチン効果は全体で38.5%、40%、11%であり、65歳-75歳の高齢者に対しては80.3%、66.4%、18.5% とPCV13→PPSV23連続接種群が有意に肺炎球菌肺炎予防効果が高かった。

PCV13/15→PPSV23 ワクチン連続接種が推奨される者

基礎疾患のあるものである。特に糖尿病、慢性肺疾患、慢性心疾患、固形がん などである。

最近PCV15が上市されたが、追加された2つの血清型の意義について

22F:IPDが増加傾向(全血清型の約10%を占めるようになった。)
33F:IPDは全血清型の4%、薬剤耐性菌が多い(マクロライド)

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